わらび座ミュージカル「ジパング青春記」特設ページ
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2019年08月10日 07:15

日韓交流よもやま話(5)

福岡県日韓親善協会 副会長/ムライケミカルパック代表 村井 正隆 氏

少女像をめぐって

 戦後、日本の総理は韓国に対して非常に気を遣っておられました。いわゆる戦前の贖罪があるのでしょうが、とにかく韓国には気を遣っていました。たとえば、文部大臣だった藤尾正行氏が舌禍事件を起こしたとき、大臣はクビになりました。今の総務省、以前は自治省といいましたけれども、奥野誠亮大臣も失言が元で同様にクビを切られました。それくらい韓国については気を遣っておりました。

 非常に良い関係がつくられましたのは、全斗煥氏が大統領になられた時です。日本では鈴木善幸首相の後に中曾根康弘氏が総理大臣になりましたが、普通、日本の総理は、必ずと言っていいほど最初の訪問国はアメリカです。

 ところが、中曽根総理は最初に韓国に行きました。だから全斗煥大統領は非常に喜びまして、そして全斗煥大統領は職業軍人でしたが、中曽根総理も東大を卒業された後、海軍主計中尉になった経歴の持ち主でしたので、非常にウマがあったのでしょう。とてもいい関係でした。ですから、あの(私が参加した大統領就任式の)寒いなかでも、中曽根総理は来られています。韓国では、中曽根総理には非常に好意をもっておられます。

 ただ、今の総理に関しては、こんな場で言ってしまうのもなんですが、非常にウマが合わないというようなこともあります。

 私は、従軍慰安婦の像(少女像)が、(韓国の)あちこちにあります。よく見てみたら非常にかわいい、14、5歳の少女の像です。それは別に政府がやらせているわけでもなんでもなく、一般の方々が、資金をカンパして、像をつくって、公道に置いています。釜山市役所も、当初は、「公道に置いてはいけない」ということで撤去したのですが、今度はそういう人たちが何百回、何千回と釜山市役所に電話をかけて抗議をしました。FAXもどんどん送られました。そのため、釜山市役所の機能がマヒしてしまって、仕方なく認めるということになりました。

 だから、私はよくいいますが、「そういうことをしてもらったら困る」とか、色々日本から言っておりますが、逆に、「少女像が非常にかわいいから、どんどんつくってどんどん全国に、置いたらどうですか」と提案したら、お金もカンパでつくっているわけですから、「もうやめた」となり、少女像をつくることには、ならないのではないかと思っています。

創氏改名という視点から

 同じ目線で、同じ問題を一歩も退かなければ、外国人であれ国内人同士であれ、必ず喧嘩になることはまず間違いありません。喧嘩をして、互いに得になることはまったくないのです。両国ともそう(いう態度)だということであり、どうせ喧嘩してもいつかは妥協しなくてはいけません。これはもう世の常ですから。

 日本人で、アメリカと戦争をして、アメリカ人をあんまり恨んでる人はいらっしゃいませんね。戦後は色々お世話になったということがあるのかもしれませんが、原子爆弾まで落とされて、ああいう悲惨なことになりましたが、それほどアメリカに関するいろいろな(恨み)事は聞きません。

 ですが、韓国の場合は、非常に、やっぱり日本に対しての、恨みをもった方もいます。なぜかということですが、それはアメリカが日本に勝ちましたが、日本を占領しても創氏改名はしませんでした。君は明日からジョンソンになれ、明日からケネディになれ。そんなことは行われませんでした。そして、昭和天皇がマッカーサー元帥のところに出向いて、「私はどうなってもいいから、日本を。日本人を助けてもらいたい」といわれたことに、マッカーサー元帥は感銘を受けて、日本の再建を図りました。統治するためには天皇を中心にしないといけないという判断をして、アメリカ本国もそれを了解したという経緯があります。

 日本の場合は創氏改名をさせたということもありますし、非常につらい思いを韓国の皆さまにさせたということです。まだ終戦から74年です。そうすると、今84歳の方も、その時は10歳だったわけですから、戦前の、植民地時代をつぶさに覚えておられる方が生きておられるのです。

(つづく)

<プロフィール>
村井 正隆(むらい・まさたか)

 福岡県三井郡北野町(現・久留米市北野町)出身。県立久留米高等学校卒。米国ニューポート大学大学院経営博士課程修了。1967年4月、ムライケミカルパック(株)を設立。99年、福岡市より市政功労者表彰。2007年、大韓民国より修交勲章崇禮章を叙勲。18年11月より公益財団法人キワニス日本財団理事。

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