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2019年08月16日 08:00

【企業研究】老舗百貨店の矜持と覚悟

(株)井筒屋

 創業84年の(株)井筒屋。これまで北九州・小倉を拠点に福岡・大分・山口において店舗展開を行い、九州地場百貨店の代表格としての地位を有していたが、時流とともに栄枯盛衰があり、現店舗は本店の小倉を含めて黒崎店、山口店の3店舗。周辺地域の大型ショッピングセンター内にサテライト店舗を構えているが、「百貨店」としては上記の3つである。流通業界は多様化し、実店舗での営業は苦戦しているなか、同社はこれからも百貨店としての本流を歩んでいく矜持と覚悟をもった事業構築を継続していく。

地方百貨店だからできること

 今回の取材前に、ある業界最大手百貨店のOBから、これからの百貨店業界の将来についてコメントが寄せられた。

 「今後、百貨店各社は都市型の店舗集約を目指したマネジメントを行っていく意向である。全国展開している百貨店は、地方都市の店舗は閉店していく公算が高い。さらに、オンライン=インターネット販売を強化しながら、実店舗との連動を強化していく。地方都市の百貨店が存続していくためには、より差別化をきめ細かくしていくことが最優先されるだろう。人口減、さまざまな商業店舗・施設の出現により、厳しい生存競争に晒される」と、これからの百貨店業について分析した。

 それらについて、(株)井筒屋代表取締役社長・影山英雄氏に問うと、少しも揺るぐことなく「百貨店業一筋に邁進する。今もこれからも」とする旨の回答をいただいた。その具体的な方針については、インタビュー記事を参照にしていただきたい。

 何よりも老舗百貨店としての矜持と覚悟が明らかになった。国内業界の流れとしては、インターネットとの融合やリーシングなど不動産関連の事業に進出していくケースがあるが、同社にはその動きは一切ない(同社でもインターネット販売は行われているが、1つのコンテンツに過ぎない)。

 いかに実店舗で最高のサービスをつくり上げていくかということに対し、徹底した行動指針がある。「顧客の欲する商品を、欲する価格で、欲する時期に、欲する数量を積極的に提供する」と定められている同社の経営理念のなかにある行動指針である。

 これは、百貨店業としての基本の姿勢である。その行動指針に対して、貪欲にリサーチして顧客が来店し、満足していくことに実直に取り組んでいる。たとえば「Kitakyu Columbus(きたきゅうコロンブス)」のコーナーでは、地元でしか購入できないMD(マーチャンダイジング)を構築するなど、各フロアにおいて顧客が興味喚起して、見やすく、手に取りやすく、買いやすい売り場の導線を熟考して実践している。これは同社には失礼ではあるが、量販店やショッピングセンターにはないMDであり、サービスである。

 今後も同社含め、業界全体が競争激化と向き合っていかねばならないことは明白である。今期からスタートした新たな中期3カ年計画の最終年度(2021年度:22年2月期)の売上高600億円を目標値にしている。19年2月期と比較して189億円の減少となるが、現実の内外部環境の動向による時流を分析した目標値であると推察される。定性的であるが、影山社長の不退転の覚悟を聞き、同社は今後も地域に不可欠な存在として、地元経済界に貢献していくことを確信した。今後の同社の推移を見守りたい。

【河原 清明】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:影山 英雄
所在地:北九州市小倉北区船場町1–1
設 立:1935年7月
資本金:105億3,216万円
売上高:(19/2連結)789億5,500万円

▼関連リンク
百貨店としての本流を守り、進めていく(前)

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