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2019年10月25日 07:00

生徒思いの指導、自由な環境で育む競争心 時代の変化に対応した教育で学力が伸長 ヒガシ 躍進の軌跡 

同じ目標に向かい生徒と教師の絆を強く

 高校時代は学力も伸び盛り。本人のやる気や学習環境次第で、劇的に能力が向上する可能性を秘めている。その可能性を引き出すのが東福岡高校の教育だ。

 同校では生徒の実力により一学年を「特進英数コース」「特進コース」「進学コース」、そして中高一貫で教育する「自彊館コース」に分けているが、全コースに共通しているのが「面倒見のよい指導」である。

 入学したばかりの中学生にとって高校という新しい環境は不安だらけだ。そこで同校ではオリエンテーションを目的にした合宿を行う。寝食をともにするため同級生と打ち解ける機会が増え、スムーズに高校生活に適応できるようだ。

 また、学期ごとに担任が個人面談を実施。学年集会や各コース別に集会を行い、同じ目標に向かうよう教師が働きかける。こうした活動を通じ、生徒と教師の結び付きを強くしている。

 日頃の学習指導では、正課授業に加えて早朝・放課後に課外授業を行い、問題演習を通して大学入試に適応できる学力を養成。クラス・コース別での勉強合宿も実施し、より効率的な学習方法を教えたり、集中力・忍耐力を養っている。

 一方、進学に関しての情報提供も手厚い。まず、毎年、県内外の大学から講師を招き大学説明会を開催。学部・学科ではどのようなことを学べるのか、その学びを行うことでどのような将来像を描けるのか、学生は実際どのような大学生活を送っているかなどを伝えている。

 各大学別に資料が揃う進路指導室も開設している。ここには大学案内や入試問題集、オープンキャンパス情報のほか、貴重な卒業生の面接体験記がある。前年度の大学入試を総括する「進学シンポジウム」を開き、効果的な指導法を全教師で共有している点も強みになっているようだ。

入学時から学力は平均1.9倍へアップ

 学力を伸ばすためには勉強に集中できる環境も必要だ。とくに思春期は、異性や周囲の目が気になり、気持ちが揺らぐ不安定な年ごろである。しかし、同校は男子校ゆえ、異性からの視線を気にすることはない。その分、自分を飾ったりすることなく、ありのままの姿で過ごすことができる。このことが勉強に打ち込みやすい環境を生み出しているといえよう。

 そんな中、さらに「上」を目指すためには競争心も求められる。ふだん仲が良い同級生でも手強いライバルなのだ。そこで同校は全国模試を利用した学力コンクールを実施。各クラスで一番になること、そして学年で一番になることを目標に切磋琢磨することで、学力を伸ばすモチベーションを上げていく。

 こうした生徒に寄り添った指導や合宿、細やかな面談、男子校ならではの自由な環境下での健全な競争心などが実を結び、とくに特進コースと進学コースで著しい学力の伸びを示している。両コースの生徒に入学直後と入学1年後で学力テストを行ったところ、入学時を学力1とした場合、63期生で平均1.9倍、62期生で1.8倍という数値を残しているのである。

 これらヒガシの教育は保護者にも大きな満足感を与えているようだ。2019(平成31)年、卒業生の保護者に5段階評価でアンケートを取ったところ、教科指導が4.0、生活指導が4.1、部活指導4.0、担任指導4.3と、すべてにおいて高く評価されている。

時代の変化に対応して最先端教育を実践

 同校は60年以上の歴史があるが、その間、学校教育も時代とともに変わってきた。とくに大きい変化は、デジタル技術の発達でさまざまな情報ツールが教育現場で活用されるようになったことだろう。

 その目玉がICT教育だ。パソコンやプロジェクター、電子黒板、eラーニングなどを授業に取り入れるこの取り組みは、2013(平成25)年、文部科学省が積極的に導入を推進。これを受けて同校でもICT教室を整備し、iPadを1人一台利用できることを可能にした。さらに2020(令和2)年度の新入生からは全教室でiPadを使えるよう準備を進めている。

 こういった機器・設備の導入だけではなく、学習方法にも工夫を凝らしている。その1つが探求学習の実践だ。これからの世の中で求められるのは「自分で考えて行動できる人材」である。そこで自ら判断し決断する力を培うため、自ら仮説を設定し、情報を集めて検証する経験を積ませている。

 また、グループディスカッションやグループワークなどを通し、生徒が能動的に学ぶアクティブラーニングを意識した授業を取り入れているほか、各教科の定期考査では記述式の設問を増やしたり小論文模試を行い、文章表現力を育んでいる。

 一方、大学入試でますます重要視されている英語のリスニングにも対応。ネイティブスピーカーの教師が常勤し、英語検定の受験指導にあたっている。

 さらに生徒の視野を広げようと異文化理解にも力を入れている。これは同校のルーツが「福岡米語義塾」にあるためだ。現在も「多様性の受容」を教育方針の1つに掲げており、アジア・太平洋地域にある国々の高校と友好校の協定を締結。交流を深めながら、将来必要とされる国際的感覚を身に付けている。

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