• このエントリーをはてなブックマークに追加
2019年11月18日 11:38

インド市場は本当に魅力的な市場なのか?(前)

日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 グローバル企業によるインド市場への進出が加速している。現在のインドの人口は世界2位の13億4,000万人で、2024年ごろには中国を追いぬいて人口世界一になることが予想されている。

 インド国民の平均年齢は29歳と若く、生産可能人口の比率も、現在は66%だが、2035年には68.4%に伸びることが見込まれており、生産と消費両面において、インド市場は魅力的である。

 アジアからみて、インドは地理的に中東、アフリカ、欧州などへの中間拠点になり得るので、アジア各国はインドに生産拠点をつくり、インド市場はいうまでもなく、これらの国への供給を考えている。

 それに、インド人は数学が得意で、優秀な研究員や技術系の人材が多く、世界で3番目にベンチャー企業の活躍が旺盛な国で、すでに3万9,000社以上のスタートアップ企業が活動している。インドにグローバルベンチャーキャピタルは投資を増やしており、昨年のインドへの海外直接投資額は約35兆円で、中国への投資よりも金額的には大きくなっている。

 そのような環境下、企業価値が10億ドルを超すユニコーン企業がインドにはすでに21社存在する。ユニコーン企業の数では、中国(206社)、米国(203社)についでインドは3位となっている。ソフトバンクの孫正義会長は "2024年までインドのスタートアップ企業に100億ドルを投資する"と発表した後、インド宿泊チェーンの最大手であるオヨ(OYO)とタクシー配車アプリのオラ(Ola) などに80億ドルを投資した。

 インドがなぜ世界から注目されるようになったのか。インドは「人口大国」で将来が有望視されていたが、外資企業の進出を阻むさまざまな阻害要因が存在していた。しかし、2014年に同国の首相に就任したナレンドラ・モディ首相はインドのすべてを改革している。

 2014年に発足した国家改革委員会(NITI Aayog)を中心に、国家発展のロードマップを作成し、それをベースに改革を進めている。改革は国政の全分野にわたり、継続的に推進されている。このような努力の甲斐があって、世界銀行の企業環境指数(DBI) 評価で、インドは2016年の130位から2018年には77位となり、ビジネス環境が改善されつつある。

 ビジネス環境が改善されることによって、インドへの海外直接投資も増加し、毎年400億ドル以上の投資が行われている。モディ政権が発足した2014年以降、インド経済は順調に伸長し、2018年4〜6月(第1四半期)には、GDP成長率8%という右肩上がりの驚異的な数字も記録した。

 インドの産業構造をみると人口の半分以上が農業に従事しており、製造業のインフラは未整備だった。ところが、モディ首相は製造業の育成と、デジタル政策をベースにしたスタートアップ企業の育成を経済発展の二本柱に掲げ、インドの経済成長をけん引してきた。その結果、海外直接投資も増加し、スタートアップ企業のなかからユニーン企業が誕生するようになったわけだ。

(つづく)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

2020年10月25日 07:00

新コンセプトStore 「#ワークマン女子」 SNSとリアル店舗の一体化を図る

 作業用品専門店ワークマンは、18年9月、一般客向けの「WORKMAN Plus(ワークマンプラス)」の店舗展開を開始、2年余りで222店舗まで拡大し注目を集めたが、...

2020年10月25日 07:00

【凡学一生の優しい法律学】日本学術会議推薦無視事件(4)

 高橋氏は「『日本学術会議問題』が、いま本当に必要な議論の妨げになっている…!のコラムを発表した翌10月13日に内閣官房参与に任命されたため、事実上、内閣官房参与の立...

2020年10月24日 07:00

構造スリットの第一人者・都甲栄充氏が来福~構造設計一級建築士・仲盛昭二氏とベルヴィ香椎の施工不具合問題を対談(4)

 「築後10年といえば、マンションはほとんど劣化しておらず、構造スリットの不具合という重大な瑕疵が隠れているとは誰も考えないでしょう。しかし、外観がきれいであっても、...

2020年10月24日 07:00

イズミ8月中間決算、経費減で経常17.5%増を確保 売上は11.8%減

 イズミの8月中間連結決算は、営業収益が前年同期比11.8%の減収であっだが、粗利益率の改善と販管費削減で経常利益は17.5%の増益を確保した...

2020年10月23日 18:30

第一生命が詐欺容疑で『実録 頭取交替』登場の元社員を刑事告発 (20) 甲羅万蔵とは

 『実録 頭取交替』で維新銀行を舞台に登場する主人公の甲羅万蔵について触れる。【表1】、【表2】を見ていただきたい。甲羅のモデル・田中耕三・山口銀行特別社友に関する資料だ。

2020年10月23日 18:09

ストラテジーブレティン(263)~コロナパンデミックの経済史的考察(1)

 100年に一度の金融危機(グリーンスパン元FRB議長)と評されたリーマン・ショックは、その後の順調な回復を振り返れば、大げさすぎた表現であった。しかし今進行している...

2020年10月23日 17:30

『脊振の自然に魅せられて』レスキューポイント設置に向けて(4)

 プレートには、「早良区役所」「脊振の自然を愛する会」のロゴを入れるようドコモから指示があり、あわせてドコモのロゴと「ドコモの携帯電話がご利用できます」との文字を表示...

2020年10月23日 16:55

国際金融誘致へ~福岡市が国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設

 20日、福岡市は国際金融に特化したワンストップサポート窓口「Global Finance Centre」を開設した...

2020年10月23日 16:41

福岡商工会議所 次期副会頭に西日本FHの谷川社長ら

 福岡商工会議所の役員が11月に任期満了と迎えるが、次期副会頭に西日本フィナンシャルホールディングスの谷川浩道代表取締役社長らが就任する予定であることがわかった...

2020年10月23日 16:34

音楽に見る日本人の正体(3)総集編(後)

 マスコミそのものが筆者身近な読者同様、「敵性音楽の使用」に関心がないのかもしれない。そのように考えてみると、戦後この問題に触れたのは、管見の限りでは長田暁二氏(大衆...

pagetop