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2019年11月25日 10:31

「信用」はどこへ 相次ぐ信金信組の不祥事件

 11月、熊本第一信用金庫(熊本市)と鹿児島興業信用組合(鹿児島市)で元職員による多額の着服事件が発表された。被害額はそれぞれ1億2,000万円と1,900万円に上った。いずれも顧客を騙し、ローンを実行。融資金を無断で引き出す手口だった。信頼を大きく揺るがす事態であり、不祥事を起こした金融機関には徹底的な再発防止策が求められる。

 企業の不祥事には、複数のケースがあるが、自分のお金が知らない間に消えていったり、身に覚えのない借入金が発生していたりと、金融機関の不祥事の被害者は顧客であることが多い。顧客は金融機関には絶対の信頼を寄せており、まさか銀行に預けたお金がなくなったり、勝手に借金を背負わされたりするなんて、想定していない。

 まずは「何かの間違いではないか?」と、コンピューターの異常や故障を疑うこともあるだろう。「金融機関に不正はない」という神話に初動対応が遅れる顧客がいるのは間違いない。上述した2件も、被害者は複数で、1年以上前から不正行為が行われており、発覚までに時間がかかっている。これは、金融機関への絶対的な信頼がその発覚を遅らせているように思えてならない。

 しかし、現実に「まさか」は起こっている。インターネットで【金融機関 不祥事】といれて、検索してみるといい。今年だけでも、何件も不祥事件が発覚している。金融機関からすれば「ほんの一部の不良な金融機関が起こしたこと」と言いたいだろうが、もはや「銀行神話」は存在しないのだ。金融機関にお金を預けなければいいのだが、そういうわけにはいかない。銀行以上に安全に保管できる場所はないからだ。

 人がお金に携わる限り、このような事件はなくならない。利用者ができることは、金融機関に任せきりにしないことだ。あくまで自分のお金は自分で守る意識をもつことが重要ではないか。身近なところでいえば、こまめな通帳記入や複数口座への預金の分散。そして、世の中に「絶対」はないことを知ることだ。

【東城 洋平】

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