2022年08月15日( 月 )
by データ・マックス

福ビル&コア&ビブレ一体開発で 天神中心部に大規模ビル誕生

新ビル開業は24年夏

完成イメージ(※デザインは今後変更になる可能性があります。周辺建物はイメージであり、実際のデザインとは異なります/提供:西日本鉄道(株))
完成イメージ
(※デザインは今後変更になる可能性があります。周辺建物はイメージであり、
実際のデザインとは異なります/提供:西日本鉄道(株))

 西日本鉄道(株)(以下、西鉄)は、従前より「福ビル街区建替プロジェクト」において福岡ビルと天神コアビルとの再開発を進めていたが、隣接する商業施設「天神ビブレ」が入る天神第一名店ビルも合わせて、3棟を一体開発すると発表した。

 西鉄はこれまで、同プロジェクトにおける開発を2期に分ける段階開発として着手。第1期事業である福岡ビルと天神コアビルの建替計画を先行して進めており、天神ビブレ部分の天神第一名店ビルのみ再開発の時期がずれる見通しだった。今回、天神ビブレを運営する(株)OPAの親会社であるイオンモール(株)を始めとした関係各所との協議の結果、街区全体の同時開発が可能になったことで、福岡市が推進する建替促進プロジェクト「天神ビッグバン」の期限である2024年までに街区全体の建替完了を目指すことになった。

福ビル街区位置図
福ビル街区位置図
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 今回の一体開発によってできる新たなビルは、幅約100m、奥行約80m、高さ約96m、延床面積約13万8,000m2と、天神エリアのなかでもトップクラスの大規模なビルになる。一体開発することにより、先行して計画を発表していた第1期事業と比較して、オフィスフロア(約3万2,000m2 → 約4万6,000m2)と商業フロア(約1万1,000m2 → 約1万6,000m2)がそれぞれ約1.4倍に拡大。18・19階部分に入るホテルの客室数も、40室から50室へと増える。

 開発コンセプトは「創造交差点 meets different ideas」で、“アジアの拠点都市”としての福岡市の飛躍に貢献できる、商業・オフィス・ホテル等のミクスドユース施設(複合施設)となることを目指している。フロア構成は、地下2階~地上4階部分が商業フロア、8階~17階部分がオフィスフロア、18~19階部分がホテルフロアとなるほか、5~6階部分にスカイロビー、7階部分に設備フロアを設ける。

 商業フロアでは、福岡ならではのライフスタイルを発信することで天神の魅力を高めるとともに、オフィスワーカーの利便性向上に寄与する機能を配置。また、地下1・2階部分の一部には、イオングループが運営する高級スーパーや飲食テナントが入居予定で、今後、高品質・高付加価値を提供するフロアの実現に向けて、西鉄とイオングループとで協議を進めていくとしている。オフィスフロアは、基準階面積約4,300m2と西日本最大規模の賃貸オフィスを整備。広い面積を必要とするテナント企業を始め、多様な企業のオフィス需要に応えていく。ホテルフロアでは、クリエイティブワーカーや外資系ワーカーをターゲットとしたハイクオリティホテルを整備し、ビジネスとの融合を目指していくとしている。

 現在、建て替える3棟のうち、福岡ビルではすでに解体に着手。天神ビブレは20年2月11日に閉館、天神コアも20年3月31日に閉館し、それぞれ20年4月以降に解体に着手する。新ビルの着工は21年7月で、24年3月の竣工と同年夏の開業を予定している。

再開発PJ次々と

 西鉄が進める「福ビル街区建替プロジェクト」以外にも、天神ビッグバンの対象エリア内ではさまざまな再開発プロジェクトが目白押しだ。

 まず、天神ビッグバンの第1号プロジェクトと位置付けられている「(仮称)天神ビジネスセンター」は19年1月に着工。21年9月の竣工を目指して工事が進んでいる。その天神ビジネスセンターと隣接する大型ビル「メディアモール天神(MMT)」も、隣接する複数のビルと併せて再開発される予定だ。MMTは地上9階・地下3階建てで、敷地面積は約2,300m2。現在、ジュンク堂書店やスターバックスコーヒー、サイゼリヤなどがテナントとして入居しているが、20年夏までに退去を完了させ、耐震性やデザイン性に優れた複合ビルに建て替える計画となっている。新ビルは地上19階・地下2階建てを予定しており、核テナントとしてジュンク堂書店が再出店する予定。24年末ごろの開業を目指している。

 MMTに隣接する「福岡市役所北別館」も、21年12月以降に閉鎖予定で、その後は民間事業者による再開発を検討している。現在、市の財政局や港湾空港局、総務企画局のほか、市の関連団体などが入居している北別館は、地上9階・地下2階建てで敷地面積は約1,500m2。1976年の竣工からすでに40年以上が経過し、老朽化が進んでいる。再開発にあたっては民間事業者を公募・選定する方針で、跡地を民間事業者に売却か貸与するかについては、今後検討していくとしている。

 ほかにも天神ビッグバンエリア内では、商業施設「イムズ」が22年3月までに営業を終了し、その後の建替えを予定しているほか、旧大名小学校跡地では、九州初進出の最高級ホテル「ザ・リッツ・カールトン」を核にした25階建てのホテル・オフィス棟が19年7月に着工。22年12月の開業を目指している。さらに、(一財)福岡県教職員互助会が管理・運営する「都久志会館」も20年11月をもって営業を終了し、その後の土地・建物の売却が検討されている。今後も24年末の天神ビッグバンの建替え期限が迫るにつれて、エリア内ではさらなる再開発プロジェクトが出てきそうだ。

【坂田 憲治】

【福ビル街区建替プロジェクト概要】

事業名:(仮称)天神一丁目11番街区開発プロジェクト
所在地:福岡市中央区天神1-11
敷地面積:約8,600m2
延床面積:約13万8,000m2
階数:地上19階、塔屋1階、地下4階
建物高さ:約96m
用途:商業、オフィス、ホテル、カンファレンスほか
基本設計:(株)日建設計
外装デザイン:Kohn Pedersen Fox Associates(KPF)

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