2024年04月29日( 月 )

年末年始注目のスポーツイベント(5)─2020ジャパンラグビートップリーグ開幕─

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 今年も残すところ、あとわずか。年末年始の慌しいこの時期に、スポーツ界では「チャンピオンシップ大会」が繰り広げられる。そのなかでも、とくに注目されるスポーツイベントについて紹介していく。最後は「ジャパンラグビートップリーグ(トップリーグ)」。

 16チームが参戦するトップリーグは2020年1月12日に開幕し、5月9日の15節まで全国各地で熱戦が繰り広げられる。

 ラグビーワールドカップ2019日本大会(W杯)における日本代表の大躍進は、まだ記憶に新しい。W杯での初のベスト8進出により、一大ラグビーブームとなり、今でも連日、メディアで、各選手の動向が取り上げられている。スポーツ界においてマイナーな存在だったラグビーが、一躍メジャーコンテンツとなり、ラグビー界にとっては、とても喜ばしいことである。

 そして、その日本代表選手たちも出場するトップリーグ。W杯の熱気をそのままトップリーグでも継続するためには、現場とマネジメントが一体となった活動が求められる。選手およびコーチ陣は、観衆に対し、最高のパフォーマンスを披露することに集中する必要があるし、マネジメント側は、お客さんにスタジアムにきてもらえるように、創意工夫しなければならない。

 選手およびコーチ陣は、秋から各自で合宿をするなど本格的な準備を進めており、プレシーズンマッチなどで実戦形式のトレーニングを日々積んでいる。W杯に出場した選手たちも疲労の回復を優先させながらも、同様にトレーニングに励んでいる。

 開幕まであと2週間ほどとなり、各チームは、より緻密な戦略・戦術を落とし込んだトレーニングを行っている。正月気分などは一切なく、通常通りのトレーニングを行っていることは明白だ。

 現在、日本ラグビー界の最高峰であるトップリーグには、W杯優勝の南アフリカをはじめ、ニュージーランド、オーストラリアなど、世界各国の選手たちも参戦する。

 新シーズンは、昨シーズンのチャンピオンである「神戸製鋼コベルコスティーラーズ」が優勝の最右翼である。神戸製鋼に追随するのは、「サントリーサンゴリアス」「パナソニックワイルドナイツ」「トヨタ自動車ヴェルブリッツ」だ。しかし、上記以外のどのチームにも上位進出のチャンスがあり、群雄割拠のシーズンとなるだろう。

 なぜならば、チーム間の圧倒的な戦力差がないため、いかに周到な準備、つまり戦い方を緻密・精妙にできるかがポイントとなるからである。

 とりわけ現代ラグビーにおいてはとくにディフェンス力が勝敗の行方を左右する。W杯でも上位に進出したチームは、ディフェンス力が冴えわたっていた。タックルして相手選手を倒すだけでなく、その後すぐにボールを奪取するパフォーマンスに移行できる回数を積み重ねていくことがキーファクターとなる。華麗なパス回しや、高く遠くに飛ばすキックも見応えがあるが、各チームのディフェンスに着目していただければ、よりラグビー観戦が楽しめるだろう。

 前シーズンの平均観客動員数は5,153人。前回(2015年)W杯後の平均観客動員数は、6,470人で、お世辞にも多いとは言い難い。マネジメント側は平均1万人を動員するにはどうすべきか知恵を絞り、アイデアを実行することだ。まずは、自らの足を使って、地道にPRしてもらいたい。選手やコーチ陣など、現場のメンバーは、休みなく戦っているのだから。

【河原 清明】

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