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2020年01月21日 10:00

「逃亡者」カルロス・ゴーンの会見を仕切ったPR(広報)会社~仏・イマージュ7と日本のサニーサイドアップ(後)

PR会社のお仕事は「記事の揉み消し業」

 PR(広報)会社というのは、実態のよくわからない不思議な業種である。広告代理店とは違うし、編集プロダクションやイベント企画屋とも違う。口さがない連中からは「記事の揉み消し業」「言論封殺業」「マスコミとりもち屋」と揶揄されてきた。

 「怪文書の研究」で知られる、今は亡き六角弘氏の「ドキュメント 企業犯罪」(KKベストブック)は「企業とマスコミの間で活躍するPR会社の実態」について一節を割いている。これがPR会社のお仕事かと納得がいった。

 単純にいえば、企業から定期的に会費をもらい、企業のために働くのがPR会社である。マスコミ媒体に対しては、契約クライアント以外の企業のマル秘情報を産業スパイもどきにリークしたりする情報網の一つにもなり、必要不可欠な存在になっている。

(中略)イメージダウンになる記事のマスコミ媒体への差し止めのお願い役、マスコミ人士のデータ収集など、企業の広報・総務や秘書室が表だってできないことを代行しているのがPR業の業務内容。

 企業側は、記者の買収、記事の差し止めなどを容易に要求するが、もちろん、めったなことで実現するはずはないので、PRマンは東奔西走。差し止めが不可能なら、社名をイニシャルにとか、見出し、広告から社名を消してもらうとかのお願い事で、マスコミの編集幹部に会って三拝九拝する

 新聞、週刊誌、テレビの記者や編集幹部、ディレクター、プロデューサー、レポーターから、フリーのジャーナリスト、ブラックジャーナリスト、会社ゴロまでのリストづくりもPR会社の仕事で、企業の担当者に渡している。怪文書や誹謗中傷のデマ攻撃を受けた場合でも、企業側は直接動きにくいので、怪文書の犯人探しはPR会社にやってもらうことが多い。

 新聞や週刊誌の編集部の中で、記事掲載の採否の決定権は誰がもっているのか、差しと止め依頼の時には、誰なら止められるのか、その社内の権力構造は常に把握しておかねばならないし、記者とは、できるだけ幅広くつきあう必要がある

”社”の格で記者をランク付け接待工作

 傑作なのは、記者の分類法。

 まず”社”の格でランク付けをし、朝日、毎日、読売、週刊文春、週刊新潮はA、サンケイ、時事、テレビ各社はBなどとし、Aランクの社は何曜日と何曜日、それもライバル社と重ならないように配慮し、同じ媒体の人の接待でも、幹部クラスなら銀座の割烹→クラブ、一線の記者は銀座ならどこのバー、新宿ならどこの小料理屋と決めていること(同上)

 その代金の支払いは、もちろん、クライアントに回す。

 六角氏は、PR会社をこう総括する。

 企業はPR会社と契約した時点で、PR会社に社運を預けることとになる。PRマンは、企業の内部に精通するし、マル秘情報も扱うし、トップともつきあうようになる。考え方しだいでは毒にも薬にも、敵にも見方にもなれる面白い立場であろう

 PR業界の先駆者である共同ピーアール(ジャスダック上場)の創業者、大橋榮氏が2017年7月に亡くなった。享年80歳。

 企業トップのスキャンダルを握った週刊誌に広告出稿とバーターで圧力をかける荒っぽい手法を駆使した。企業とメディアの間をとりもつフィクサーの異名をもつ。大橋氏の死去を大手マスコミは「PR業界の天皇亡くなる」と報じた。

 メディアを操ることに長けたフランスのPR会社の「女王蜂」がカルロス・ゴーン逃亡者の対マスコミ作戦の指揮を執る。「日本のメディアは検察の情報を垂れ流すだけ」と攻撃を仕掛けてくることは目に見えている。

「日本のメディアよ、『女王蜂』に負けるな!」

(了)
【森村 和男】

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