2024年12月10日( 火 )

山本太郎氏が都知事選擁立を「一切聞いてない」、長妻発言に敬意と警戒

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 立憲民主党の長妻昭選対委員長が7月5日投開票の東京都知事選にれいわ新選組の山本太郎代表を野党統一候補として擁立する可能性に言及したことについて、山本氏は24日、「そういう話は一切聞いてない」と否定。「過分なお言葉」と敬意を表する一方、「国政の場での連携をスムーズにする狙いか」と警戒感を示した。

 この日、鳥取市内で開かれた「おしゃべり会」で、筆者は「長妻氏から都知事選に関する話があったか」「身に覚えがなければ、発言の意図は何と推測するか」と質問した。

 それに対し、山本氏は「長妻さんはもちろん、立憲民主党関係者からそういう話は一切聞いてない」と否定した。推測される意図については、「消費税5%はいったん下ろそうかみたいな話になったりとか? 分からないが」と首をかしげた。

質問に答える山本氏(2020.1.24 筆者撮影)

 「あそこまでキャリアがあって大臣経験者でもある長妻さんが、電波に乗せて言うということは、何となく思ったからという話ではない。でも、残念ながら、私には過分な言葉だと思う」と長妻氏に敬意を表した。

 その上で、「けれども、そういうお言葉をいただいたとしても、消費税5%をクリアしなければ一緒にはやれません」と笑顔で冗談交じりに宣言。「懐柔策として考えていたのだとすれば、国政の場で連携をスムーズにする狙いがあったりするのか」と警戒感を示した。

 「れいわが5%とうるさく言わないようにするためか」と筆者が重ねると、「赤の他人の発言なので、こういうことだと断言するのは難しい。ぜひ、長妻さんに聞いていただきたい」とかわした。

 都知事選擁立に関する長妻発言は23日夜、BS日テレ番組に出演した際に行われたもので、共同通信が配信している。記事には、「選択肢としては排除しない」との山本氏の発言も添えられている。これは昨年8月5日の会見時のものと思われる。

 長妻氏は消費税を最終的に10%までに引き上げることを取り決めた2012年の「三党合意」に旧民主党の実務者として携わった。立憲所属の塩村あやか参院議員は昨年6月、「消費税減税や廃止は立憲民主党としてはあり得ません」との長妻氏の考えをツイートしている。

 他方、先の共同通信の記事によれば、長妻氏はBS番組で国民民主党との合流に関し、「何とか総選挙の時には大きな形で、政権を担えるような政党にしていきたい」と意欲を見せている。

 野党共闘を「三党合意」の延長上で成就させるには、山本氏の国政からの排除が欠かせないのだろう。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上には「山本太郎を国政から追放する気か」「長妻は観測気球を上げた」などの書き込みが繁殖した。

 長妻氏は1月21日付毎日新聞電子版「政治プレミア」のインタビューで「れいわ新選組は政策の打ち出し方が明確で、我々も学ぶところがある。山本太郎代表とは一度、膝詰めでじっくり話し合いたい」と持ち上げる一方で、「財源があるならば消費税を廃止するために使うのか、社会保障を充実させるために使うのかは考えなければならない」とくぎを刺している。

塩村氏のツイート

<プロフィール>
高橋 清隆(たかはし・きよたか)  

 1964年新潟県生まれ。金沢大学大学院経済学研究科修士課程修了。『週刊金曜日』『ZAITEN』『月刊THEMIS(テーミス)』などに記事を掲載。著書に『偽装報道を見抜け!』(ナビ出版)、『亀井静香が吠える』(K&Kプレス)、『亀井静香—最後の戦いだ。』(同)、『新聞に載らなかったトンデモ投稿』(パブラボ)、『山本太郎がほえる〜野良犬の闘いが始まった』(Amazonオンデマンド)。ブログ『高橋清隆の文書館』

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