大型プロジェクトで存在感を発揮　地場有数の設備工事業者

（株）曙設備工業所

地場のマンション建設支える

　設計施工からメンテナンスまで、設備工事のワンストップサービスを実践している（株）曙設備工業所。同社は企画・設計の段階から参入することで、事業主やゼネコンとより深い関係性を築き、現在では福岡エリア有数の設備工事業者となった。1992年に現代表の野田弘之氏が就任して以降、業界ではリーマン・ショックを始めとするたび重なる危機が勃発。各社が厳しい市況に晒された。同社においてもその影響は他人事ではなかったが、野田社長の下で全社一丸となって苦しい時期を乗り越え、現在では数多くの大型案件の受注を手がけるまでに躍進した。

　「2019年12月期の売上高は前期比7億円増の47.5億円となりましたが、受注残は約82億円で、案件数は75カ所あります。うち17件が設計完了しており、20件が設計中と計30数件の案件を仕込んでいるところでして、今期は約55億円の売上を見込んでいます」と野田社長は、同社の現況について語る。

　福岡市内の同業者で70億円分以上の案件を抱えているのは6社程度といわれており、同社が福岡地区のマンション建設を支えているといっても過言ではない状況だ。

信頼を積み重ね大型案件も受注

　受注する物件の規模も大型になってきている。現在手がけている物件で代表的なのは、「グランドメゾン浄水ガーデンシティ」（福岡市中央区「九電記念体育館」跡地、22階・196戸）と「モントーレ香椎浜サーフタワー センターコート」（福岡市東区香椎浜、32階・587戸）の2つだ。

　積水ハウス（株）が手がけるハイクラスマンションのグランドメゾンは、全戸が床暖房や空調設備、生ゴミ処理設備などを完備。その分、受注単価も地場のマンションデベロッパーと比べて倍程度高いものとなっている。一方、地場を代表するデベロッパー・西武ハウス（株）が手がける「モントーレ香椎浜サーフタワーセンターコート」は、九州最大規模の戸数を誇り、香椎浜地域の開発の象徴といえるもの。これら大規模なプロジェクトへの参画は、これまでの同社の長年の実績に対しての建築主からの信頼の証だといえよう。