2024年04月28日( 日 )

福岡県の魅力とポテンシャルをPR~福岡県企業立地セミナーが開催

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 福岡県は2月3日、東京都内で、「福岡県企業立地セミナーin東京」を開催した。当セミナーは2013年から毎年開催されており、企業関係者だけでなく、福岡県下の各自治体の職員も参加。セミナー後は交流会も催され、例年150名前後が参加している。

 少子高齢化が進み将来的な人口減が懸念されるなか、福岡県は人口増に転じている8都県のうちの1つ。昨今はインバウンド需要にも恵まれており、九州各県を訪れた外国人観光客は累計260万人(昨年1月から11月時点)を数える。主にアジア諸国からの観光客が中心だが、昨年9月に開催されたラグビーW杯の影響もあり、欧米諸国からの観光客が増えているという。

 2011年から2018年にかけて福岡県内に企業を立地した件数は433件。本社機能の移転・拡充は37件(昨年末時点)で全国1位となっている。実際に立地した企業の声として、「将来的な生産能力の増強を考えた時、それに適した土地がある」「人材と労働力の確保がしやすい」「取引先や関係企業との距離が近い」などといった理由が聞かれた。こうしたことから、福岡県は現在、8つの工業団地を分譲しているほか、新たに2つの工業団地を造成中。企業のニーズを踏まえたうえで、来たるべき企業立地に備えている。

 セミナーに先立ち、小川洋・福岡県知事が主催者を代表して挨拶し、福岡県が誇る恵まれた立地環境、産業政策、企業誘致に関する県の取り組みについて紹介した。

 小川知事は、「福岡県における企業立地の魅力は、何と言っても国内有数の交通インフラの利便性」と述べ、陸海空を通じて九州一円へのアクセスが良好であることを第一に挙げた。

 また、福岡県の生活環境についても言及し、「CNNが『世界で訪れた方がいい都市19カ所』のなかで福岡県を国内で唯一選んでいる」と説明。その背景として、(1)都市部と自然が共存している(2)ラーメンや明太子などに代表される食文化が発達している(3)屋台、柳川の川下り、小倉城址などの観光資源が豊富にあることを紹介。「住環境的に見ても、不動産価格が3大都市圏(東京、大阪、名古屋)と比べて安価であり、子育てや教育環境がしっかり整っている」と話し、「福岡に立地して良かったと思えるよう、県がしっかりとバックアップする」と述べ、講演を締めくくった。

福岡県の魅力について講演する小川知事と、熱心に聞き入る参加者
福岡県の魅力について講演する小川知事と、熱心に聞き入る参加者

 小川知事による講演の後は、(株)資生堂執行役員でサプライネットワーク副本部長・三浦昭宏氏とアイシン精機(株)理事の小澤保夫氏が講演。

 三浦氏は、「なぜ福岡を選んだのか」をテーマに、資生堂が久留米市に工場を新設するに至った経緯を話した。三浦氏は福岡に立地を決定した要因として、「土地の造成が早期に完了する」「適度な広さが確保できる」「陸海空へのアクセスが良い」ことを挙げ、「(これらに加え)福岡県と久留米市が窓口を一本化(ワンストップサービス)し、一体となってサポートしてくれたことも決め手になった」と述べた。

 小澤氏は、「端的にいえば福岡にそれだけの魅力があった」と話し、「実際にきてみると、YahooやLINEなどのAI系企業や人材が近くに集まっていて、人材採用や育成などが行いやすい環境下にあるのが魅力と感じた」と話した。

 セミナーの後は企業関係者や福岡県下の各自治体職員との交流会が催された。会には福岡県産の食材を用いた軽食が用意され、参加した自治体による専門ブースが設けられた。また、合間には各自治体の首長によるPRも行われた。

交流会は終始盛り上がりを見せた
交流会は終始盛り上がりを見せた
大牟田市長・関好孝氏(左)と、苅田町長・遠田孝一氏(右)も我が街をPR
大牟田市長・関好孝氏(左)と、苅田町長・遠田孝一氏(右)も我が街をPR

【長谷川 大輔】

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