2024年04月19日( 金 )

元会長(ゴーン)の国外逃亡~生き残れるか日産グループ(5)

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 【表1】を見ていただきたい。2020年1月の新車販売台数順位表である。

【表1】2020年1月の新車(登録者・軽自動車)販売台数順位表
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~この表から見えるもの~

 1月の新車販売台数は前年比▲47,872台の360,103台(▲11.7%)。内訳は登録車が前年比▲27,584台の221,464台(▲11.1%)。軽自動車も前年比▲20,288台の138,639台(▲12.8%)で、登録車を上回る減少となっている。

 前年より増加しているのは、SUBARUと三菱ふそうの2社だけで、残り11社はマイナス。大きく減少しているのはホンダ、日産自動車、三菱自動車の3社。

・ホンダは前年比▲14,656台の46,692台(▲23.9%)。内訳を見ると、登録車は前年比▲10,413台の19,684台(▲34.6%)と大きく減少。軽自動車は前年比▲4,243台の27,008台(▲13.6%)。

・日産自動車は前年比▲11,059台の42,231台(▲20.8%)。内訳は登録車が前年比▲12,185台の24,490台(▲33.2%)。軽自動車は前年比+1,126台の17,741台(6.8%増)で、登録車の大きな落ち込みをカバーしている。

・三菱自動車は前年比▲1,675台の6,825台(▲19.7%)。内訳は登録車が前年比▲195台の3,187台(▲5.8%)。軽自動車は前年比▲1,480台の3,638台(▲28.9%)と大幅に下落している。

 昨年12月29日、ゴーン元会長が国外逃亡したことが、日産グループの新車販売に大きな影響を与えているのがわかる。

【表2】を見ていただきたい。日本の大手自動車メーカー(7社)の20年3月期 第三四半期(12月期)の経営成績推移表である。【表3】の通り、日産自動車は未発表のため、順位表から外している。

【表2】日本の大手自動車メーカーの経営成績推移表
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【表3】自動車メーカーの2020年3月期 第三四半期の決算短信公表日
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(1)20年12月期の親会社に帰属する当期純利益順位表である。

~この表から見えるもの~

 大手自動車メーカー(7社)の当期純利益は前期比+2,706億円の2兆8,143億円(10.6%増)。トヨタだけが増益で、一強他弱の様相を呈している。

・1位はトヨタ。前期比+5,897億円の2兆0,130億円(41.4%増)と大幅な増益。

・2位はホンダ。前期比▲1,381億円の4,852億円(▲22.2%)。

・3位はスズキ。前期比▲642億円の1,165億円(▲35.5%)と大幅な減益。

・4位はSUBARU。前期比▲65億円の1,116億円(▲5.5%)で、スズキに肉薄している。

・5位はいすゞ自動車。前期比▲265億円の674億円(▲28.2%)と大幅な減益。

・6位はマツダ。前期比▲30億円の323億円(▲8.5%)。

・7位は三菱自動車。前期比▲808億円の▲117億円の赤字に転落している。

(2)20年3月期 通期の親会社に帰属する当期純利益(予想)順位表について

~この表から見えるもの~

 1位はトヨタ。売上高は29兆5,000億円(前期比▲2.4%)と減収を予想しているが、親会社に帰属する当期純利益は前期比4,672億円の2兆3,500億円(24.8%)を予想している。

・2位はホンダ。当期純利益は前期比▲153億円の5,950億円(▲2.5%の減益予想。

・3位はSUBARU。前期比+152億円の1,630億円(15.3%増)で、昨年は4位だったがスズキを逆転する予想となっている。以下、いすゞ自動車、マツダ、三菱自動車の順位変動はない。

<まとめ>

 日産グループ傘下の三菱自動車は20年1月31日、トップで20年3月期 第三四半期の決算を発表。当期純利益は▲117億円だったが、20年3月期の通期予想は50億円の黒字を予想している。

 一方、日産自動車は明日の2月13日(木)、最後に決算発表する予定になっている。2(に)、1(い)、3(さん)。明日こそが、まさに、日産グループが「生き残れるか」どうかを決める運命の「日」となりそうだ。

(了)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

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