2024年04月16日( 火 )

「コインランドリー業界」と「宮崎の地域振興」に大きな転換点を引き起こす2020年(前)

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WASHハウス(株) 代表取締役社長 児玉 康孝 氏

 企業活動では、理念を現実のビジネスにどのように落とし込み、達成させていけるかという点に経営者の手腕があらわれる。児玉社長が創業当初から、コインランドリー事業の先に見据えてきた構想の現実化がいよいよ近付いてきた。地元宮崎の地域振興にも範囲を広げ、さまざまな仕掛けを施してきた活動が、業界に大きな転換点を引き起こす。

(聞き手:弊社代表取締役社長・児玉 直)

宮崎の地域活性化に一役

WASHハウス本社外観(宮崎県宮崎市)
WASHハウス本社外観(宮崎県宮崎市)

 ――最近は、地元・宮崎の為にも精力的に活動されているそうですね。

 児玉康孝氏(以下、児玉) 昨年6月に、弊社が本社を置く宮崎市と中国山東省の青島(チンタオ)市で、経済協力パートナーに関する協定が結ばれました。宮崎市の観光名所である青島(あおしま)の字が青島(チンタオ)市と同じということで、以前から観光に関する協定はありましたが、これからは都市同士が経済協力パートナーとして、さまざまな面で交流を深め協力していこうというものです。これには企業間交流のみにとどまらず、人と文化も含めた本物の交流にすることが将来の宮崎にプラスになると考え、関係者にご支援をいただきながら活動しています。

WASHハウス(株) 代表取締役社長 児玉 康孝 氏
WASHハウス(株) 代表取締役社長 児玉 康孝 氏

 具体的な交流は、昨年8月の「みやざき青島(あおしま)国際ビール祭り」に青島(チンタオ)市の方々をお招きしたことですでに始まっており、11月には宮崎市・戸敷市長をはじめとする市関係者に加え、産業経済界の代表者などで青島市を訪問しました。

 行政の方々との交流食事会や、工場視察、地元の資産家の方など、さまざまな交流や視察をしてまいりました。青島市も非常に積極的で、市内のイオンに宮崎コーナーをつくって、「村上三絃道」という宮崎を拠点とする三味線演奏のイベントや、宮崎のことを紹介していただくなど歓迎ムード一色でした。また、航空会社を訪れて宮崎―青島便の運行についても打ち合わせをしましたが、その際に相互理解のための勉強会を開いていただき、そのなかで非常に大勢の参加者へ向けて弊社の事業内容もご紹介していただくこともできました。

 現在、中国の各自治体では外国都市との交流や協定を結ぶことに非常に熱心に取り組まれているようです。私は以前から青島市を訪問するなかで、交流のあった青島市長からそのようなお話をうかがっていたことから、宮崎市の戸敷市長にお繋ぎしたところ、このような話に発展してきた次第です。

 青島市は、とくにこの3年で非常に先進的な都市になってきて、以前とはイメージがまったく変わっています。地方都市といっても人口1,000万人に迫るような都市と、人口40万人の宮崎市が対等に話ができて、観光や経済などで協力関係を築けるのは、もの凄いチャンスです。

 弊社もこの流れのなかで、中国での事業活動を本格的に進めていきます。国営企業であり非常に高い技術力をもった「小鴨集団」との合弁会社を青島市に設立しました。11月にはシーガイアのコンベンションセンターで合弁会社設立の調印式を行い、小鴨集団の代表はもとより、青島市の行政関係者もご招待しました。宮崎からも戸敷市長をはじめ商工会議所の米良会頭にもご参列いただき、調印後は市や観光協会などと一緒に記者会見を行いました。これらにより、しっかりと地域とつながった活動を進められていると感じています。

合弁会社設立調印式合弁会社設立調印式
合弁会社設立調印式

(つづく)
【文・構成:吉田 誠】

(中)

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