2024年04月19日( 金 )

「これでいいのか北九州市」~発行累計100万部突破の地域批評シリーズから新刊

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これでいいのか北九州市 北九州市の反撃

 (株)マイクロマガジン社(東京都中央区、武内静夫代表)は、地域批評シリーズの新刊「日本の特別地域特別編集95これでいいのか北九州市」を2月18日に発売すると発表した。すでにAmazonや楽天ブックス、TSUTAYA ON LINEなどで予約を受け付けている。

 「地域批評シリーズ」は同社の人気コンテンツの1つ。2007年創刊の「東京都足立区」からスタートし、通巻100号、発行累計100万部を超える超ロングランシリーズとして知られている。地域のおいしいお店や遊べるスポットを紹介する地域ガイドとは違い、各地域のイメージとして貼られたレッテルを、統計データや現地取材などさまざまなアプローチを用いて検証。地域の真実の姿や本当の魅力を明らかにする「面白くてためになる」地域分析本を標榜しており、北は北海道、南は鹿児島まで、これまで計139タイトルを発売している。

 北九州市は2013年3月4日発刊の「日本の特別地域特別編集号」、2016年6月14日発刊の「地域批評シリーズ」で取り上げられており、今回で3回目。北九州市と聞いて思いつくのは、度重なる暴力団の抗争事件、成人式でド派手な衣装で武装する若者の姿などであろうか。1963年に5市が合併して九州最大の都市として隆盛を誇り、高度経済成長を牽引していた北九州市。しかし、現在は福岡市にその座を奪われ、人口流出や産業の低成長といった問題を抱えている。

 マイナスイメージがテレビなどで頻繁に取り上げられ、ネット上では「修羅の国」なる言葉も生まれた。長年住んでいる北九州市民からしてみれば、「北九州市は観光資源が乏しい」「ほかの地域と比べるとそこまで大したものはない」などという声もちらほら聞こえてくる。しかし、対外的に見ると魅力的と映る部分が数多くあるということに、市民を含め多くの人に気付いてほしい。

 記者は昨年、北九州市の中小企業経営者協会(中経協)を取材したが、その際、北九州市のもつポテンシャルに気づかされた。たとえばアクセスに関して、福岡市の利便性ばかりが注目されるが、北九州市も負けてはいない。空路に関しては北九州空港が24時間稼働しており、国内外からの離発着が可能。陸路に関しては小倉駅に新幹線がすべて停まり、ここを起点として、九州全域から日本全国へ行くことができる。こうしたことから統合リゾート誘致の声も挙がっており、実際に海外企業が北九州市を視察した際、そのポテンシャルに注目していたというのだ。

 同書は「今、北九州市は水面下で大きな力を蓄え、次なる飛躍への準備を整えつつある」とし、「かつて市民を苦しめた公害を克服した技術とノウハウを新しいビジネスチャンスに繋げ、人類的な課題であるエネルギー問題への対応力もかつての失敗から身につけている」と断言。現在の北九州市をさまざまな角度から検証し、さまざまな側面から新たな北九州市の可能性を「発見」している。

 同社は発刊にあたり、「5市合併から半世紀余り。再度の飛躍を狙う北九州市の反撃がいかなるものか、ぜひ共にご覧いただきたい」とコメント。外からの違った視点で読んでみると、自分たちの街に新たな発見があるのではないだろうか。市民のみならず、北九州に興味のある方、ゆかりのある方には是非ご一読いただきたい。

【長谷川 大輔】

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