明治維新を経てNEXTステージへ 丸の内の大家・三菱地所の本気(後)
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2020年03月04日 12:00

明治維新を経てNEXTステージへ 丸の内の大家・三菱地所の本気(後)

 江戸時代、大名屋敷などが立ち並んでいた東京・丸の内は明治維新後、陸軍兵営を経て、三菱に払い下げられた。その後、世界的にも指折りのオフィス街へと成長。2000年代の再開発により、オフィス街に加えてショッピングや飲食などの店舗数も増え、休日に丸の内を訪れる観光客や買い物客も増加してきた。丸の内の“大家”である三菱地所は、「丸の内NEXTステージ」を始動。人と企業が集まり、交わることで新たな価値を生み出す舞台へ進化させていくという。

大丸有を包括する「丸の内NEXTステージ」

「丸の内NEXTステージ」における再開発計画
「丸の内NEXTステージ」における再開発計画
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 そんな丸の内だが、今年1月24日に大きな発表があった。三菱地所は、大手町・丸の内・有楽エリアの“大丸有”地区の20年以降のまちづくりを「丸の内NEXTステージ」と位置づけ、イノベーション創発とデジタル基盤強化を通じて、個人のクオリティオブライフ(QOL)向上と社会課題の発見・解決を生み出すまちづくりを推進していくとした。

 「丸の内NEXTステージ」では、有楽町エリアと常盤橋エリアを重点的に整備し、30年までに約6,000~7,000億円を建替えおよびソフト整備に投資し、大丸有の再構築を進めていく。約4,300事業所、約28万人の就業者と圧倒的な数の企業や人材の集積を活用し、まち全体を実証実験の舞台とし新たなイノベーションを創出し、継続し続けるエコシステムを構築するという。

東京駅前常盤橋プロジェクト:街区全体(丸の内側より)
東京駅前常盤橋プロジェクト:街区全体(丸の内側より)

 再開発計画ではすでに発表済みの「(仮称)丸の内1-3計画」「東京駅前常盤橋プロジェクト」「(仮称)内神田一丁目」に加えて、築年数が経過しているビルを複数所有する有楽町エリアでも建替えやリノベーションを推進する。再開発を通じて生み出す総延床面積は110~130万m2を予定している。

 また、丸の内にとどまらず、有楽町から、銀座・日比谷へ、常盤橋から日本橋・八重洲へ、大手町から神田へという3つの周辺エリアとのつながり・広がりのあるまちづくりを目指す。

(左)1992年ごろの空撮写真(丸の内再構築前) (右)現在の空撮写真(丸の内再構築後)
(左)1992年ごろの空撮写真(丸の内再構築前) (右)現在の空撮写真(丸の内再構築後)

丸の内から全国へ「チャレンジの10年」

代表執行役執行役社長 吉田 淳一 氏
代表執行役執行役社長 吉田 淳一 氏

 「ふさわしいエリアの将来像を考えていきたい」(三菱地所・吉田淳一社長)という有楽町は、文化芸術・MICEを核とした“まちづくりのショーケース”をスローガンとし、クリエイティブな人々の活動を中心としたハード・ソフトの整備を目指す。常盤橋エリアは、再開発プロジェクトにより約7,000m2の広場が誕生し、日本一となる高さ390m2のビルは新たな東京の象徴になることが期待される。

 政府は、大丸有をスマートシティの先行モデルプロジェクトとして選定した。将来の「都市OS」の実現として期待されているプロジェクトだ。「行政は、交通、防災、健康などさまざまなデータを保有しています。私どもは丸の内の人流、購買データをもっています。これらを掛け合わせて、どこでどのようなサービスを提供すればいいかなどを検討しています。また、丸の内仲通りにはインフラが集中していますが、これを活用した省エネ都市化に取り組んでいる最中です」(三菱地所・谷澤淳一副社長)と話した。

代表執行役執行役副社長 谷澤 淳一 氏
代表執行役執行役副社長 谷澤 淳一 氏

 将来的なESGの目標には、CO₂排出量ゼロ、廃棄物再利用率100%、自然災害による都市機能停滞ゼロ、まちの利用者の幸福度最大化を設定。吉田社長は、「丸の内エリアでできることは、ほかのエリアで展開できることもあり得ます。防災・減災を含めたBCPや再生可能エネルギーの活用も含めて、しっかりと取り組んでいきたい。丸の内の取り組みは、日本を変えていく起爆剤になり得ます。これからはチャレンジの10年間としたい」と意気込む。

 「デジタル丸の内」など、挑戦的な言葉が飛び交う「丸の内NEXTステージ」。大丸有のエリアポテンシャル最大化に向けて、丸の内の“大家”三菱地所が本格的に動き出した。

 

有楽町再構築コンセプトイメージ
有楽町再構築コンセプトイメージ

(了)
【長井 雄一朗】

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