2024年05月27日( 月 )

南海トラフ巨大地震への備えを引き続き啓発~宮崎県が被害想定の更新結果を発表

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 3月23日、宮崎県は南海トラフ内全体でM9クラスの地震が発生した場合の同県における地震・津波および被害の想定について最新の想定結果を発表した。同県は2013年にも同様に震度分布や津波高、各種被害の想定を公表していたが、前回の想定結果から時間が経っていることから想定結果を更新した。今回は「これまでの防災対策の取り組みの効果を把握するために、一部最新のデータ(建築物や人口、ライフライン等のデータ、津波避難意識アンケート結果等)に基づき、各種被害の想定を再計算」したものである。

 今回の想定結果は、この数年間の同県における津波避難施設(避難ビルなど)の位置および収容人数の確保、県民の防災・避難意識の高まり、人口減少などの面から、人的および建物被害の想定が減少しており(図参照)、防災対策の効果が得られていると評価する。県民の防災・避難意識に関して、同県関係者は、県民の防災意識を高めるために実施している各種の啓発活動を通して一定の効果が得られているが、まだ不十分であり引き続き行っていく予定であると述べる。

耐震化による減災効果<br>全体(液状化、揺れ、津波、火災による被害)
耐震化による減災効果
全体(液状化、揺れ、津波、火災による被害)
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(参考:図内の用語)
【想定ケース(1)】内閣府(2012)が設定した強震断層モデルおよび津波断層モデルを用いて、宮崎県独自に再解析した地震動および津波浸水の想定結果に基づくケース。
【想定ケース(2)】宮崎県独自に設定した強震断層モデルおよび津波断層モデルによる地震動および津波浸水の想定結果に基づくケース。

人的被害の減災効果
人的被害の減災効果
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 これらを踏まえ、同県では「新・宮崎県地震減災計画」の改訂を1~2年の間に行うとともに、この計画に基づき、引き続き「建物の耐震化率90%」および「住民の早期避難率70%」の達成に向けて防災・減災に取り組み、「誰1人取り残さない」「逃げ遅れゼロ」の実現を目指す。

 具体的な取り組みとして、巨大地震への対応については、従来から進めてきた耐震対策をより一層着実に進める。一方、巨大津波への対応については、前回調査時より津波避難ビルなどの避難施設が位置、収容人数ともに十分に確保できるようになり、また津波避難意識がこれまでの想定よりも高くなったことに基づき、住民1人ひとりが主体的かつ迅速に避難行動がとれるよう対策を講じていくこととする。

 同県HPに今回の想定結果が掲載されているので、詳細な情報を知りたい方はそちらまで。またほかにも県民向けの南海トラフ巨大地震関連情報が掲載されている。

【茅野 雅弘】

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