2024年05月27日( 月 )

経営者が知っておくべき新型コロナ対策

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経営者が知っておくべき新型コロナ対策

岡本弁護士

 新型コロナウイルスが猛威を振るっており、経済にも深刻な影響を与えています。国も、発熱などの風邪の症状があるときには会社を休むよう呼びかけており、使用者にも、労働者が休みやすい環境整備をするよう協力を求めています。また、感染防止のための柔軟な働き方として、テレワークや時差通勤の導入なども推奨されています。
 では、労働者の感染が疑われる場合や、現に感染してしまった場合、使用者としてどのような対応が必要になるのでしょうか。厚労省が「Q&A」を公開していますので、これに基づいて紹介いたします。

 2月1日付で、新型コロナウイルス感染症が「指定感染症」に指定されたことで、労働者が新型コロナウイルスに感染していることが確認された場合は、感染症法に基づき、都道府県知事が就業制限や入院の勧告などを行うことができることになりました。労働基準法26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合」には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされていますが、この場合、一般的には「使用者の責に帰すべき事由」に該当しないと考えられますので、休業手当を支払う必要はありません。

 では、労働者の感染が確認されていないものの、発熱などの症状がある場合は、どのように扱うことになるでしょうか。

 労働者が、自主的に休んでいる場合は、通常の病欠や制度設計如何では有給休暇の取得として扱えばよいということになります。しかし、労働者が自主的に休まない場合、ほかの労働者への感染予防のために使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に該当し、休業手当を支払う必要があります。このとき、使用者としては、有給休暇を取得した扱いにしたいと思われるかもしれませんが、有給休暇は、原則として労働者の請求する時季に与えなければならないため、使用者が一方的に有給休暇を取得したものと扱うことはできません。

 では、新型コロナウイルス感染症によって、原材料が入手できないなどの要因で事業の休止などを余儀なくされ、やむなく休業とする場合なども、休業手当の支給は必要でしょうか。

 この判断には、使用者が通常の経営者として最大限の注意を尽くしても、なお避けることのできない事故であるか否かが問題になります。たとえば、自宅勤務などの方法によって労働者を業務に従事させることが可能な場合に、これを十分検討するなど休業の回避について通常使用者として行うべき最善の努力を尽くしていないと認められた場合には、「使用者の責に帰すべき事由」に該当し、休業手当の支払が必要となることがあります。また、前述の原材料が入手できないという事例でも、取引先への依存の程度や、ほかの代替手段の可能性、事業休止からの期間、使用者としての休業回避のための具体的努力などを総合的に勘案し、判断する必要があると考えられています。

 コロナウイルス関連のご相談があれば、お気軽に下記までご連絡ください。

岡本綜合法律事務所
住所:福岡市中央区天神3-3-5 天神大産ビル6F
TEL:092-718-1580
URL: https://okamoto-law.com/


<プロフィール>
岡本  成史
(おかもと・しげふみ)弁護士・税理士
岡本綜合法律事務所 代表
1971年生まれ。京都大学法学部卒。97年弁護士登録。大阪の法律事務所で弁護士活動をスタートさせ、2006年に岡本綜合法律事務所を開所。経営革新等支援機関、(一社)相続診断協会パートナー事務所/宅地建物取引士、家族信託専門士。

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