2024年04月17日( 水 )

注目の「コトPOP」~大手・中堅チェーンも取り組みを強化

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 スーパーの売り場でよく見かける価格や商品名の描かれたPOP。最近は価格変更が瞬時に可能で手間がかからない電子棚札の普及も進むが、印刷ではなく手描きにすることで、よりお客に印象付けアピールできることから、再評価する動きも出てきた。

 そうしたなかで注目されているのが「コトPOP」。専門家の山口茂氏によれば、「あなた自身の価値観と言葉で訴求し、お客さまの発見、興味・関心、共感、納得を引き出すもの」と定義し、「価値がわかること」「役に立つこと」「ワクワクすること」を伝えるもの。
 自分が飲んだり食べたり、 使っている楽しそうな姿が容易に想像できる、読んで楽しいPOP。
 そして強い購入動機を引き出すことで、売上に結びつけることを狙い、その多くが特色ある商品やこだわりアイテム。その良さを伝えることで、実際、今まで月に1個しか売れていないものが数十個も出るという現象も起こし、その驚異的効果も証明されている。

 北陸はクスリのアオキ、ゲンキーのフード&ドラッグが、食品で価格攻勢を強めてスーパーを脅かしているが、石川県のローカルスーパーどんたくは価格ではなく、商品の良さを強みとして対抗している。
 そのためには、商品の特色、特長を顧客にいかに伝えていくかが重要だと考え、3年前から具体的ツールとしてコトPOPの導入を開始し、成果を上げている。

 かほく店では、コトPOPのセミナーに参加したり専門家の指導を受け、他社での取り組みも参考にし、社内で勉強会も開催し、パート、アルバイトを含めて全員が書いている。
 売り場にはさまざまなものが並び、本部から送られたもの、メーカーが作成したものもあるが、それぞれ特色や役割があり、相乗効果を生み出している。

 そして、コトPOPは、顧客に商品の良さを伝えることができるが、同時に、店のスタッフが書くために商品について調べて食べることで、商品への理解を深めることができるのも大きいと考えている。

 さらに、月2回、売り込む商品を決めて、コトPOP、試食に加えて、販促物の作成、イベントなどさまざまな方法を重ね合わせることで、相乗効果を生み出している。
 12月には、クリスマスに、「聖夜の星空レストラン」の企画を実施、それぞれの部門で、メニュー提案を行い、関連商品のウリ込みを図った。

 人手不足の折り、かほく店でも人員では欠員が出ているなかで、コトPOPをはじめ、こうしたことをやっていくのは負担になる恐れもあり、残業時間が増える可能性もある。
 そこで、コトPOPの導入を契機に、今までの作業を見直し、効率化を図り、在庫管理の改善なども行うことで、実際に作業を行う際も、部門を越えて協力し合って行うようにしたことで、残業時間も決められた時間内に収まっている。

 最近、イトーヨーカ堂や東急ストアなど大手・中堅チェーンでも取り組みを強めており、コトPOPが売り場で目にする機会も増えてきそうだ。

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