2024年05月03日( 金 )

使用済紙おむつのリサイクルシステム構築でトータルケア・システムなど3社が協業

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 使用済紙おむつの水溶化処理や紙おむつリサイクル事業の総合プロデュースなどを手がけるトータルケア・システム(株)(福岡市)は、住友重機械エンバイロメント(株)(東京都)、凸版印刷(株)(東京都)と使用済紙おむつをパルプやプラスチックなどの再生資源として再利用する「完結型マテリアルリサイクルシステム」の構築、事業化について協議を開始する。

 トータルケア・システムは2004年、福岡県大牟田市の「大牟田エコタウン」内に水溶化処理による紙おむつリサイクルプラント「ラブフォレスト大牟田工場」を建設、パルプやプラスチック、吸水ポリマーなどを回収する世界的にも例が少ない紙おむつのリサイクルシステムを国内で初めて構築した。リサイクル処理後の活用にも取り組み、再生パルプを建築資材の外壁材や内装材などの原料として有効利用し、また、プラスチックは、経済産業省の補助事業(サポイン)を活用し、再資源化の研究開発を進めている。今回の協業で、同社は使用済紙おむつのリサイクル技術・ノウハウを提供する。

 住友重機械エンバイロメントは、下水処理や民間排水処理などの水処理に関する技術と、設計施工から運転管理までの幅広い実績を有していることから、水溶化処理設備のプラント設計および施工を担う。凸版印刷は、再生資源を医療、介護向けなど、さまざまな製品開発、販売を手がける。

 環境省は、使用済紙おむつの焼却に代わる処理方法として、自治体などを対象に「使用済紙おむつ再生利用等に関するガイドライン」を3月31日に発表した。それにより、紙おむつのリサイクル事業が活発化しそうだ。

 トータルケア・システムは「3社協業により、使用済紙おむつの分別回収・水溶化処理・再生資源の活用まで、リサイクルシステム全体を構築し、2022年度以降の事業化および自治体採用を目指したい」としている。

「完結型マテリアルリサイクルシステム」フロー図

 

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