2021年12月09日( 木 )
by データ・マックス

『脊振の自然に魅せられて』「ヤブデマリと感動の出会い」(藪手毬 ミズキ科 スカズラ属)

 脊振では5月から6月にかけて白い樹木の花が咲きます。ヤマボウシ、エゴの花、クマノミズキ、ゴマギ(ゴマの匂いがする)、ガマズミなどです。

 白い樹木の花のなかで「女王」といえば、4月半ばに咲くムシカリ(別名オオカメノキ)と5月末に咲くヤブデマリが挙げられます。共にスイカズラ科ガマズミ属の樹木です。ムシカリは乾いた土地を好み、ヤブデマリは水辺を好むようです。

 5月26日(火)の早朝は小雨が降っていましたが、脊振山方面を見ると雲が薄く、大した雨は降らないだろうと判断し、雨具をザックに入れて出かけました。

 いつも立ち寄る早良区脇山の産物売り場「ワッキー」で名物の鶏にぎり3個入りを1パック購入。「ワッキー」の責任者 Sさんが「池田さん」と声をかけてくれたので、「花が気になるので山へ行きます」という返事をして登山口へと向かいました。

 登山口に車は1台も停まっていません。緊急事態宣言が解除されたにもかかわらず、登山者は外出を自粛しているようです。

 登山口の横の船石橋から清流のビデオの撮影を始めます。せせらぎの音とともに、「コロコロ、コロコロ」とカジカの澄んだ鳴き声が清流に響き渡っていました。

 登山口から30分歩いて谷筋の登山道へ入りました。すると咲き誇る沢山の白い花が飛び込んできました。初夏の花の女王「ヤブデマリ」です。

純白に輝く「ヤブデマリ花」

 「咲いていたのか」、例年より1週間の遅咲きでした。私が山へ入る時期が遅く、ヤブデマリの開花時期を逃したかと思っていましたが幸運でした。「咲いてくれてありがとう!」と花に感謝しました。

 ヤブデマリの花はちょうど見頃で、1つ1つの花びらが純白に輝いていました。しかも今日は曇り空、撮影条件は最高です。

 花は晴天下だと花が太陽光に反射し、白い花は「白トビ」し露出オーバーになります。まるで歌舞伎の女形のようです。

 花や植物の撮影には、曇天もしくは小雨が太陽光の反射もなく、植物本来の姿を見せてくれます。これらの自然現象が私の撮影に対するこだわりです。

 ヤブデマリの花は1つの枝に皿を並べたように、次々と枝の付け根まで花を咲かせています。

 さらに山道を進むと、純白の花を咲かせ、樹木全体が雪を被ったように真っ白いものもありました。その雪景色に見えるヤブデマリが何本もあるのです。

雪景色のように見える「ヤブデマリの花」 渓谷の上に咲いています

 いつもの休憩ポイントに腰をおろし、目の前に咲く可愛いヤブデマリを見ながら鶏飯のおにぎりをほおばりました。

 ウグイスの鳴き声が静かな谷に聞こえてきます。目の前のヤブデマリの上方に一段と高くそびえる樹木の花が見えました。クマノミズキです、枝いっぱいに沢山の花を咲かせていました。ヤブデマリとクマノミズキのコラボレーションを目の前にし、ウグイスの鳴き声も聞くことができ、とても贅沢な時間を過ごせました。

 休憩を終え、たくさんのヤブデマリの花を眺めながら矢筈峠へと向かいました。峠へ着く前に小雨が降ってきたので、準備していた雨具の上着を着込みます。

 雨具のズボンをはくのは登山靴ごとはくのが面倒くさいからです。足元にスパッツを着用していたので、雨具のズボンは装着せずに歩きました。雨でズボンが濡れるのは覚悟のうえです。

 歩きながら雨具のファスナーを開け、カメラが濡れないよう胸のあたりに入れました。デジタルカメラは非常に雨に弱いのです。

 そして、縦走路を目的地まで歩き続けたところ、最終ポイントで感動の出会いが待っていました。

(次回につづく)

2020年5月28日
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行

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