2024年03月19日( 火 )

【銀座・秋葉原・渋谷・東京など】賑わいを取り戻しつつある東京~エリアごとの違いも

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
銀座を歩く人々の様子

 政府は5月25日、新型コロナウイルス感染拡大にともなう緊急事態宣言を東京など主要都市でも解除した。4月7日の宣言から約7週間、企業、店舗、自治体、教育機関など多くの団体が自粛を余儀なくされ、街から人が消えて静まり返っていた東京。一方、主要都市より一足早く緊急事態宣言が解除された各都市の一部では、二次感染の危険性が危惧されながらも、徐々に活気が戻ってきている様子が見受けられる。

銀座

高級ブランド店にて入場を待つ行列

 歴史ある百貨店や高級ブランドが軒を連ねる日本有数の歓楽街「銀座」。30日午後3時ごろ銀座を歩くと、多くの買い物客で賑わっていた。一方で、休業中の店舗も多く、ひんぱんに銀座を訪れるという50代の女性は「通常の半分も人がいないのでないか」と語る。
 とくに目を引いたのが、一部の高級ブランド店にできた行列。店舗入り口のスタッフによると「入場制限を設けており、セールなどを実施しているわけではない」とのことだが、その光景に驚きを隠せなかった。

秋葉原

秋葉原の様子。
いつも見ることのできるメイドはいなかった。

 アニメや漫画などの「聖地」として知られる秋葉原は、銀座や上野(アメ横)に比べると人の密集度合いが低く感じた。観光地としても人気のエリアということもあって、自粛時に比べると行き交う人の数が増えたものの、コロナ禍以前の状態とは比べ物にならないくらい少なかった。家電量販店が集まるエリアでもある秋葉原だが、各メーカーのPC機器を扱う店舗の従業員は、「今回の自粛で一時的な駆け込み需要はあったが、同時に通販を主流にする人が増えていくのではないかと不安な気持ちもある」と複雑な心境を語った。

上野(アメ横)

賑わいを取り戻してきた上野(アメ横)

 都内でも歴史ある商店街の1つで、食べ歩きと個人店舗が多く立ち並ぶ上野のアメ横商店街。もともと商店街の道が狭いこともあってか、ほかのエリアと比べ、より多くの人で賑わっているように見えた。各店舗では、解除をまっていたかのように“安売り”“特価価格”であることをアピールしている姿が目立った。また、昼間から空いている居酒屋も繁盛しており、一部の店では空席待ちの行列ができていた。

渋谷・原宿

 
 
原宿・竹下通りの様子

 「若者の街」としてのイメージが強い渋谷と原宿も同様に活気が戻りつつある。一部の大手服飾店が休業を続けるなか、「ここはまだ閉まっているね。けど、あそこは空いているんじゃないか」と再開した店舗を求めて歩く人々も多くいた。
 とくに賑わいを見せていたのは、美容関係だろう。表参道で美容室のチラシを配っていたスタッフは「自粛中は開業していても来づらいという人が多く、第2波が来る前に来ようとするお客さんも多い」という。ちなみにこのスタッフのお店は「土日はすでに予約でいっぱいで、平日でもしばらくラッシュが続くと見込んでチラシを配っている」とのことだ。

新橋・東京駅

 多くのエリアが活気を取り戻しつつあるなか、依然として閑散としている場所もあった。サラリーマンの聖地といわれる新橋と海外からの観光客に人気の東京駅周辺だ。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、リモートワークの継続やインバウンド需要がほぼストップ状態にあるため、両エリアでは賑わいがほとんど見られなかった。両エリアともオフィスビルなどが立ち並ぶオフィス街であり、土日であることを加味しても、やはり人が圧倒的に少なかった。

 6月1日から実質休業となっていた各企業に動きが出てくるのではないかとされている一方で、資金のある大手企業ほど「通常運転」に慎重になっているという声もある。6月中に経済が以前のように流れていくかは、最初の1週間が大きなポイントとなりそうだ。

閑散とした昼間の東京駅前
新橋駅・SL広場

 インバウンド需要回復の見込みはまったく立っていない。「年内いっぱいかかる」「中国を中心に予定より早く回復する」など、有識者のなかでも意見が割れている状況で、観光業やホテル業などインバウンド需要が売上の大きな割合を占める企業は、まだまだ“先の見えない不安”を抱えていくことになりそうだ。

【麓 由哉】

関連キーワード

関連記事