2024年04月19日( 金 )

新型コロナウイルスの患者が首都圏で急増(後)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 実際の実物経済については、貿易量が減少するのみならず、サプライチェーンの調整が進むことも予想されている。さらに、コロナ禍の影響で、デジタル経済、遠隔医療、ロボットなどによる自動化などが、さらに進むことになる。なお、経済が打撃を受けた結果、個人の所得が減少し、消費者はコストパフォーマンスの良い商品を好むようになる。世界経済はコロナ禍を経験したことで、今後上記のような大きな変化が訪れることになるだろう。しかし、韓国の経済構造は輸出依存度が高いことから、アメリカ、ヨーロッパなどが経済的に深刻なダメージを受ければ、その影響をもろに受けることになる。

 しかし、一方では、韓国は防疫に成功したことで、韓国の防疫、韓国の医療機器への世界の関心が高まり、いくつかの分野では、輸出が大幅に伸びていることも事実である。コロナ禍で今まで以上に衛生と健康に対する関心が高まり、医療用品、サプリメント、マスク、洗浄剤、空気清浄機、サイクロン掃除機などへの問い合わせが急増している。外出を控え、家で食事、運動などをすることが多くなったことで、韓国のラーメン、インスタントご飯、化粧品、運動器具などの人気が高く、中国、東南アジアを中心に、注文が殺到している。また自宅勤務のためのパソコンの需要も伸び、映画館などへ行かなくなったため、ホームシアタ用のビームプロジェクターなども、売上が急増している。

 コロナ禍はこのように生活パターンに変化をもたらし、経済危機で消えていく企業がある反面、工場をフル稼働させている企業もある。マスク関連企業は小規模の企業が多かったが、マスクが世界中から求められるようになり、機械装置を100台規模で増設し、生産を拡張している企業もある。

 一方、コロナの規制で経済が厳しくなってくると、規制の緩和を求める声も、多くの国で聞かれるようになった。韓国でもコロナウイルスの感染拡大を防ぐため、政府の強力な措置に一般市民は協力しているが、一部では、プライバシー侵害に対する懸念もないわけではない。基地局を利用した追跡、クレジットカードを活用した動線の追跡など、本来なら使ってはいけない情報を活用して、感染防止に当たっているからだ。都市をロックダウンしたり、規制をかけたりしても、個人や企業は被害を受けるだけであり、政府からは何の報償も受けられない。今回は世界的なパンデミックであるため、封じ込めるために仕方なく従っているが、これが今後も続くことを懸念する向きもある。

 6月が過ぎ、第2四半期の企業業績が発表されると、全世界がコロナ禍の世界経済への影響を初めて実感することになり、唖然とするかもしれない。早く新型コロナウイルスが終息し、下半期には経済が元通りになることを祈ってやまない。

 本日のニュースによると、死亡者を1人も出していないベトナムは7月1日から国際線の運航を再開する準備に入ったという。今後はウイルスとの共存が必至かもしれない。世界各国の経済が再開され、経済が一日も早く回復することを祈りたい。今後新しい生活パターンに適応できる国は繁栄し、適応できない国は衰退していくだろう。私たちは歴史の大きな変換期に立っているのは間違いない。

(了)

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