2024年03月29日( 金 )

経産省、コロナ消毒で使う次亜塩素酸水に「有効性の確認なし」

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 経済産業省は、消毒に使われる次亜塩素酸水(次亜塩素酸を主成分とする液体)について、新型コロナウイルス(COVID-19)への有効性は5月29日時点において確認されていないと発表した。

 次亜塩素酸水は主に加湿器などに入れて噴霧することで、空間除菌ができると謳って販売されており、医療機関や保育施設、福祉施設では以前より使用されているほか、新型コロナウイルス対策として飲食店でも導入されている。

 経済産業省は、次亜塩素酸水の販売実態として、「製法・原料」「液性・濃度・成分」の表示について、たとえば「次亜塩素酸濃度の単位(mg/lまたは ppm)を明記していないものが多い」「希釈して使用する製品の方法について明記されていない」「次亜塩素酸以外の成分について明記していないものが多い」といった表示について指摘している。

 また、噴霧によるウイルス除去を行う空間において、「無人空間での噴霧消毒(換気を行ってから入室)は従来から行われているが、「次亜塩素酸水」の販売例では、有人空間での噴霧を示唆するもの、「物体表面のウイルス除去」または「空中のウイルス除去」なのかが判然としないもの、消毒・除菌などの有効性を裏付ける根拠が明確でないものが多い。有効性試験を行っている場合でも、国際規格(ISO)、国家規格(JIS)、などで規定されている評価法、試験の実施機関および時期、用いた手法、結果などが明示されていない場合があると報告されている。

 WHOは「COVID-19について、噴霧や燻蒸による環境表面への消毒剤の日常的な使用は推奨されない」としており、「消毒剤を人体に噴霧することは、いかなる状況であっても推奨されない。これは肉体的にも精神的にも有害である可能性があり、感染者の飛沫や接触によるウイルス感染力を低下させることにはならない」との見解を示している。また、米国疾病予防管理センター(CDC)は、医療現場の消毒に係る一般論として「消毒剤噴霧は、空気や表面の除染のためには不十分な方法であり、一般衛生管理には推奨されない」としている。 

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