2024年04月25日( 木 )

都市計画法などが改正 防災対策で開発規制、移住促進も

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 災害ハザードエリアにおける新規立地の抑制などを盛り込んだ、都市計画法および都市再生特別措置法の改正案が成立した。地すべりや土砂災害の危険性があるエリア、浸水により人命に危険をおよぼす可能性が高いエリアで宅地開発などが抑制される。

 災害レッドゾーン(※1)では、分譲住宅や賃貸住宅など自己居住用の住宅、貸しビルなど自己以外の業務の用に供する施設に加えて、自ら運営する店舗やホテル、病院などの開発が原則禁止されるほか、防水ハザードエリア等(※2)では市街化調整区域における開発許可を厳格化する。

 立地適正化計画の居住誘導区域から災害レッドゾーンが原則除外される。災害レッドゾーンでの開発行為について、住宅などの立地誘導に支障があると認められれば、勧告したうえで事業者が従わない場合、市町村は事業者名などを公表できるようになる。また、市町村による移転計画制度を創設し、災害ハザードエリアからの円滑な移転のため予算を設ける。
 また、立地適正化計画の記載事項には、「防災指針」が追加される。避難路や防災公園の整備などによる防災対策、防災ハザードエリアからの移転促進による安全確保など防災強化が図られる。国交省は、2025年までに600件の防災指針の作成を目標に掲げている。

 さらに、「居心地が良く歩きたくなる」まちなかづくりに取り組む区域(以下、区域)を都市再生整備計画に設定する。公共による街路の広場化や民間によるオープンスペース提供のため、交付金等による予算や民間には固定資産税の軽減などの取り組みを推進する。国交省は区域設定についても、25年までに100市町村以上を目標に掲げている。

(※1)災害危険区域(出水等)、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域^
(※2)水防法の浸水想定区域等のうち、災害時に人命に危険をおよぼす可能性の高いエリア^

▼参考リンク
「土砂災害警戒区域等マップ」福岡県県土整備部砂防課

【永上 隼人】

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