災害発生時には、「まずは命を守る行動を」
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九州全域を襲った記録的な豪雨により、各地で河川の氾濫や土砂崩れなどの被害が相次いでいる。九州各県では大雨特別警報を始めとした各種警報が発令され、場所によっては避難指示や避難勧告も出ている状況だ。
例年ならば、自分の住む地域に避難指示や避難勧告が出されれば、多くの人が「すぐに避難しなければ」と考えるところだが、今年はあいにく新型コロナの問題がある。避難所などでの感染リスクを懸念する余り、人によっては避難すること自体を躊躇してしまうケースもあるかもしれない。これについて、災害リスクマネジメントを専門とする九州大学の杉本めぐみ准教授は、「災害発生時に迅速に逃げ込む『避難場所』と、被災後にある程度の期間滞在する『避難所』とは分けて考える必要があります。災害発生時に危険箇所にいる場合は、まずは自らの命を守るためにも、すぐさま避難場所に逃げてください」と呼びかける。
こうした災害時には、まずは安全な場所へと逃げ込むことが第一。そして、その次の段階で、コロナの問題を含めてどこに身を寄せるのかを考えていく必要があるという。「現状の避難所では、段ボールなどの間仕切りを行ったところで、はっきりいってコロナ対策としては気休めでしかありません。ハザードエリア外の自分の家で籠城できるならばそれが一番良いですが、それが難しければ、友人や親戚のところに身を寄せるとか、ホテルや旅館に行く、さらには最悪の場合は、エコノミークラス症候群の対策をしたうえで、浸水域外を確認して土地高低の高いところで車中泊という選択もありだと思っています」(杉本准教授)。
依然として新型コロナが猛威を振るう状況下ではあるが、避難指示が出されるなどの危険箇所にいる場合は、まずは自らの命を守るために迅速な避難を――。
【坂田 憲治】
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