2024年04月20日( 土 )

住宅需要は福間駅周辺がダントツ 福岡都市圏北部のJR沿線(前)

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古賀駅
住環境は良好だが新宮・福津に押され気味

JR古賀駅

 JR古賀駅の周辺は、駅東側には市役所や市立図書館や市民体育館、リーパスプラザこが(古賀市生涯学習センター)などの公的施設が集積。一方の駅西側の国道495号沿いには、大規模商業施設「サンリブ古賀」を始め、ディスカウントストアやドラッグストア、ホームセンターなどの商業店舗が立ち並ぶほか、駅近くの本町商店街、新町商店街の2つの商店街には中小店舗が軒を連ねている。

 行政的にも商業的にも、同駅周辺が古賀市の中心部といって差し支えないだろう。快速を利用すれば博多駅まで約20分で行けるほか、市内を走る西鉄バスや「コガバス」(古賀市公共施設など連絡バス)の起点にもなっており、さらには九州自動車道・古賀ICにも近いなど、交通アクセス面は良好だといえる。

 駅周辺では、中央(1~6丁目)や花鶴丘(1~3丁目)、天神(1~7丁目)、日吉(1~3丁目)などで住宅地が形成。エリアには幼稚園・保育施設や小学校、中学校などが一通りそろっているほか、街区公園などが適度に点在しており、教育・子育て環境も充実している。エリアの平均家賃相場は2LDKで6.12万円(※)で、地価は「花鶴丘1丁目:6万3,100円/m2」「天神6丁目:5万4,100円/m2」「日吉1丁目:5万9,300円/m2」など。

 「古賀駅周辺は、福岡都心に通いやすいアクセスの良さと、都心に比べてお手ごろな家賃で、とくにファミリー層の人気が高いエリアです。ただし近年は、隣の新宮町や福津市の人気が高まっており、古賀市内の住宅需要はやや押され気味の印象も受けます」(トーマスリビング 古賀店)。

 古賀駅周辺では今後、魅力ある都市的な賑わい空間の創出に向けて駅東口周辺地区の再整備が進められていく予定で、新たな商機能や居住機能の配置が検討されている。駅前再整備の進行とともに、駅周辺の人気が高まるとみられる。

福間駅
イオン開業や区画整理で一躍人気のエリアに

駅南側で開発が進むJR福間駅

 JR福間駅の周辺は、近年とくに人気が高いエリアだ。もともと駅周辺では、駅北側から県道97号(福間宗像玄海線)にかけてのエリア(中央1~6丁目)で商業地と住宅地が混在するほか、JR線路沿いの光陽台(1~6丁目)などで住宅地の開発が進んできた。

 それが、2012年4月に駅から南東方向約1.2kmに位置する国道3号沿いに「イオンモール福津」が開業したことに加え、04年度から進められてきた福間駅東土地区画整理事業が14年5月に完了して新たな住宅地(日蒔野1~6丁目)が誕生。快速利用で博多駅まで約25分という交通アクセスの良さに加え、生活利便施設の充実や適度な自然に囲まれた生活環境の良さなどから人気を博し、隣接する既存の住宅地(福間南1~5丁目)も含めたエリアで、新たな住居や商業店舗の開発が相次いでいる。

 また、駅からやや離れているが、北西約1.2kmに位置する旧・福岡厚生年金スポーツセンター(ウェルサンピア福岡)跡地では、ハウスメーカー16社によって開発された分譲住宅地「シーサイドパーク海岸通り」(507区画、18年6月に第2工区造成完了)が誕生。海に至近のロケーションの良さもあって、こちらも人気のエリアのようだ。

 駅周辺エリアの家賃相場は2LDKで7.52万円()と、福岡都心により近い古賀駅周辺よりも高めの家賃設定になっている。また、地価は「光陽台1丁目:5万4,800円/m2」「福間南3丁目:4万5,200円/m2」「日蒔野1丁目:7万7,000円/m2」となっており、区画整理で新たに誕生した日蒔野エリアの人気が高いことがうかがい知れる。

 「生活利便性と豊かな自然とが適度に調和している福津市は、以前よりベッドタウンとしての人気が高かったですが、近年はイオンモールと駅との間のエリアの住宅需要がとくに高まっています。また、それに引っぱられるかたちで、周りの既存住宅地の人気も再燃しているような状況です」(福間不動産センター)。
 ただし現在、近隣の幼稚園・保育園や小・中学校などでは児童定員が飽和状態になっているといい、今後は学校新設も含めた教育インフラの拡張・充実が、さらなるエリアの発展に向けての課題だといえよう。

※:不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」より^

(つづく)

【坂田 憲治】

(後)

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