共感人口を増やし、住み続けたい宗像に――(前)
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宗像市長 伊豆 美沙子 氏
再生に向けて本格始動
――伊豆市長は今年度を「宗像の再生が始動する年」と位置付けられていますが、とくに注力されているポイントは何でしょうか。
伊豆市長 宗像市は福岡市と北九州市の中間に位置し、両政令市への交通利便性が高いことで、昭和40年代から住宅開発が活発に行われ、市としても子育て・教育環境の充実や安全・安心の住みやすいまちづくりに努めてきました。その結果、本市はこれまで住宅都市としての発展を遂げてきたのですが、初期の住宅開発からすでに半世紀近くが経過し、市内住宅地の各所で建物の老朽化や空き家の増加、さらには住民の高齢化などの課題を抱えている現状があります。
私は、故郷である「宗像を元気にしタイ」という基本理念の下、市長に就任してから「宗像に住みたい、住み続けたい」と多くの人に思ってもらえる魅力あるまちづくりに努めてきました。就任3年目の今年は「宗像の再生が始動する年」と位置付け、さまざまな再生の動きを始めていきます。
再生には、駅周辺の機能強化が必要不可欠だと考えています。まず、市の中心拠点であるJR赤間駅周辺では、防災の観点を踏まえながら、民間活力による都市開発の誘導を目指したまちづくりビジョンを描いていきたいと思います。
一方で、JR東郷駅においては、駅南側に広がる九州最大級の住宅団地である「日の里」で、今年から、本格的な団地再生の取り組み「UR日の里団地東街区再生事業」がスタートします。駅前の立地の良さとゆとりある住環境を合わせもつ日の里は、住宅都市・宗像を象徴する場所といえます。
次の50年に向けた緑あふれる住宅の形成と多世代が交流するコミュニティづくりを合わせた再生事業「宗像・日の里モデル」を牽引役として、市域全体に都市再生の動きが広がるように、市も全力で取り組んでいきたいと考えています。そのほかに、地方の活力を生み出していくためには、地域の“稼ぐ力”を強化していくことも重要です。本市では以前より、宗像で創業することを“宗業(そうぎょう)”と名付けた“宗業者”支援の取り組みを進めています。
これに加え、企業の新事業創出や地元新商品・新サービスなどの開発、女性活躍推進など、地域の稼ぐ力の強化に直結する「新たな事業の創出」を多方面から支援したいと考えています。今春、赤間駅南口にオープンした創業支援専門の民間施設「fabbit宗像」とも連携しながら“宗業者”支援の取り組みを加速させていきます。(つづく)
【坂田 憲治】
<PROFILE>
伊豆 美沙子 (いず・みさこ)
宗像市出身。宗像高校および京都女子大学国文学科を卒業後、会社員を経て家業の酒造業に従事。そのほか、ラジオパーソナリティーや福岡大学非常勤講師など、幅広い活動を行う。2011年4月から福岡県議会議員を2期務めた後、18年5月に宗像市長に就任。福岡県内初の女性市長として注目された。月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
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