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2020年08月05日 17:00

ベルヴィ香椎、施工不具合問題は JR九州・若築建設ら業者の勝利!(4)

 福岡東区の分譲マンション「ベルヴィ香椎 六番館」(以下、六番館)が傾斜している問題について、販売会社である若築建設(株)・JR九州・福岡商事(株)の3社は、六番館区分所有者に対して3つの対応策を提示し、選択を求めた。
 販売会社らが示した案は、下記の通り。
(1)改修(杭の補修)
(2)六番館の解体・建替え
(3)六番館各住戸の購入価格での買い取り
 現時点では、「六番館の解体・建替え」を希望する区分所有者が多いという。六番館の「建替え」は「ベルヴィ香椎」の区分所有者にとって、最良の解決方法となるのだろうか。協同組合ASIO代表理事の仲盛昭二氏の意見を聞いた。

 ――販売業者が六番館の全住戸60戸を買い取った場合、強大な区分所有者の集団が形成できることがよくわかりました。全戸を「買い取り」した場合、六番館の強度不足は解消されないままになりませんか。

 仲盛 その通りです。事実上は販売業者が六番館管理組合の実権を握ることになるため、杭の補修を行う必要もなくなります。そして、「ベルヴィ香椎」のなかに、耐震強度が不足した違法な状態のマンションが存在し続けることになります。もし大地震が発生して六番館が倒壊した場合には、ほかの棟の住人に被害を与える可能性もあります。敷地内の通路を塞ぐことや、自動車などを破損させることも考えられます。

 そのような危険を残した状態であれば、六番館以外の棟の部屋を売却する際に資産価値が下がる要因になり、売却が困難になることは容易に想像できます。危険な状態のままの六番館が残るならば、他の棟の区分所有者は、行政(福岡市)に対して「違法建築物の撤去の仮処分申請」を行えば良いのではないかと考えます。今回の施工不具合を六番館のみに留まらず、「ベルヴィ香椎」全体の問題と考えなければ、必ず後悔することになります。

 ――鹿児島のマンションの欠陥に対する若築建設の対応の酷さを訴えるメールが、NetIB編集部に届きました。このマンションでは、外壁のタイルが剥がれて落下したため下の駐車場の自動車が破損したほか、マンションの各部で漏水が相次ぐなどの事態に悩まされ、若築建設は補修を実施したものの、不完全だったため、現在でも漏水は解決されていないといわれています。
 補修が不完全だと指摘された若築建設は「バルコニーに置かれた温水器の誤った使用方法が漏水の原因」として開き直るなど、不誠実な対応を続けていると聞いています。

 仲盛 私の専門は建築構造のため、漏水については専門外ですが、これまで見てきた現場では、コンクリート内の水は思わぬところまで浸み込むため、根本原因となる個所を特定することが難しいという面はあるようです。ただし、建築関連法規や仕様書に則って施工と監理が行っていれば、大規模の漏水が発生する可能性は低いと考えています。

 ――若築建設は海洋土木を主体とした建設会社であり、初めて手がけたマンションの建設が「ベルヴィ香椎」でした。「ベルヴィ香椎」から10年以上が経ってから建設された鹿児島のマンションでも、若築建設のマンション施工技術は進歩していないように感じられます。また、鹿児島のマンションの状況を視察にきた若築建設の幹部は、不具合の写真ではなく桜島の写真を撮り、SNSに投稿していたと聞きました。

 仲盛 海洋土木工事とマンション建設工事では、求められる技術がまったく異なります。普通の企業であれば、不慣れなマンション工事で施工ミスを起こした場合、その反省を踏まえて、技術の向上に努めるはずです。しかし、若築建設は相変わらず施工ミスを繰り返していることから、反省を踏まえて技術向上を図る企業ではないようです。

 「ベルヴィ香椎」や鹿児島のマンションにおける対応を見ると、若築建設という企業の体質がよくわかります。「ベルヴィ香椎」については、販売業者側が提示した条件を小躍りして受け入れるのではなく、その裏に隠された魂胆を見抜き、「ベルヴィ香椎」全棟の区分所有者が救済される方法を選んで行動するべきだと考えています。

(了)

【桑野 健介】

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