コロナ禍で苦境となったカプセルホテル、ナインアワーズが再生へ(後)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2020年08月15日 07:00

コロナ禍で苦境となったカプセルホテル、ナインアワーズが再生へ(後)

再生条件は大都市圏、駅チカ

ナインアワーズが再生を手がけた
「新宿区役所前カプセルホテル」(1987年開業)

 ナインアワーズが再生を手がけるのは、東京、名古屋、大阪、福岡などの大都市圏で、かつターミナル駅徒歩数分の立地に限定している。都内最大規模のカプセルホテル「新宿区役所前カプセルホテル」(1987年開業、436室)も、JR新宿駅から徒歩約4分の好立地。改修工事は小規模にとどめ、サウナの強化に注力した(6月1日施工開始、7月1日開業)。「再生物件でも20~30代や女性の利用が増えている」(渡邊氏)といい、サウナには本場フィンランド式で蒸気浴ができる「ロウリュ」を設けた。

 さらに、ホテル併設のレストランを廃止した。人件費などサービスコストが高く、面積あたりの売上増加を見込めず、簡易調理メニューで近隣飲食店との味やサービスの差別化ができないためだ。代わりに、お酒やおつまみの自販機を充実させている。すでに、大阪/心斎橋(140室)、東京/神田(100室)、千葉中央(144室)、大宮(36室)、蒲田(284室)、川崎(194室)の6店舗で再生実績があり、売上が2倍以上となったケースも珍しくない。

ホテル運営コスト、徹底的に合理化

 利用者の大半を男性が占めていたカプセルホテルで、女性や外国人の利用を取り込むためには、インターネットからの集客力強化が欠かせない。ナインアワーズでは、自社サイトやSNSでの情報発信を充実させたほか、宿泊予約ポータルサイト掲載を見直し、独自のマーケティングノウハウで集客力を高めてきた。

 「今後はビジネススタイルの変化で出張が減り、カプセルホテルを取り巻く環境も激変するはずだ。『ナインアワーズ』利用者の約3~4割を占めていたインバウンドの完全回復は、2022年以降と予想している。ビジネスホテルでのテレワーク利用は、それほど増えておらず、今後も大幅に需要が増加するとは考えられない」(渡邊氏)といい、国内観光や出張需要などを重視し、エリアの特性を見極めて集客する。

 運営コストも、徹底的な合理化を進めている。シフト調整などで人件費を削減、さらに自社サイトでの予約に集約することで、ポータルサイトでかかる費用を削減、アメニティの一括大量購入による仕入れ費用の圧縮を図ってきた。一方で、口コミでアメニティ評価が低い場合は、逆に予算を上げることもあるという。

 今後のホテル需要の動向について渡邊氏は、「『Go To Travelキャンペーン』で、少しずつ利用が戻るだろう。冬に懸念されている第2波がなく推移できれば、21年3~4月頃には国内移動は概ね戻るだろう」(7月2日取材時点)と話した。

カプセルホテル「ナインアワーズ」

(了)

【石井 ゆかり】


<COMPANY INFORMATION>
(株)ナインアワーズ

代 表:代表取締役 Founder 油井啓祐
    代表取締役 CEO 松井隆浩
所在地:東京都千代田区神田錦町3-19-1 不二ラテックスビル7F
設 立:2013年8月
資本金:2億9,000万円(資本準備金含む)
売上高:(20/3)約16億円

月刊誌 I・Bまちづくり 記者募集

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?
福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

     

トップニュース

pagetop