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2020年09月17日 10:30

BIS第170回例会~ワシントンDC、ローマを結ぶオンライン開催(6)

 8月30日(日)の午後1時30分~5時まで、日本ビジネスインテリジェンス協会(BIS、中川十郎会長・名古屋市立大学特任教授)第170回例会がZOOMを用いてオンラインで開催された。ZOOMによる開催は、29年の歴史を誇るBISで初めての試みだ。
 今回は「新型コロナ後の世界」をテーマとして、医学や経済学、社会学など幅広い分野の発表があった。当日は東京だけでなく、ワシントンDC、ローマ、仙台、大阪、福岡などから50名を超える有識者が参加した。

陽性イコール患者ではなく、陽性イコール肺炎でもない

 中村信也氏(まほろば東京クリニック院長、東京家政大学名誉教授)は、「コロナパンデミックスと医食同源」を発表した。

 中村氏は、厚労省が「累積患者数」を中心に発表することに疑義を唱え、自身が作成した「10日ごとの新規患者数」の推移表を参加者に示した。その理由は、累積患者数の統計は実質的にほぼ意味がなさない上に、毎日必ず数が増えるために、患者数が増加傾向にあるという誤解を招きやすいためである。

 新型コロナ陽性率は、現在はおよそ5%(約95%は陰性)であり、今日までの重症者率は約0.4%、死亡率は約2%であるという。「10日ごとの新患者数」推移表によると、最近は7月10日と8月10日に患者数が急増したが、これはいずれもその時期に検査料金が大幅に下げられたことによるものであり、陽性率、重症者率、死亡率には依然として変化は見られないという。

 次に、中村氏は、マスメディアがあたかも「陽性者=患者」「陽性=肺炎」と思われるような報道を行っていることを戒めた。陽性者増加が、社会の恐怖の源になっているからである。中村氏は「無症状者はウイルス保有者(キャリア)にすぎず、患者でないことを正しく国民に知らせるべきである。また、そのために多くの産業を止めているのはおかしい」と付け加えた。

 中村氏はそのうえで、今後は新型コロナ患者を「重症肺炎型」と「無症候・軽症型」に分けることを提案した。「重症肺炎型」は全体の約1%に過ぎないため、病院は1県1カ所でも対応が可能であり、病院に高額な受け入れ補助金を提供すべきであると語った。ちなみに、デング熱は「一般の風邪症状型」と「出血重症型」に分けて治療がなされているという。

感染しても発症しないと自負できる身体づくり

 中村氏は、(特非)国際薬膳協議会理事長の立場から、新型コロナに負けない元気な身体をつくる(免疫力を上げる)ための4つのアドバイスとして「適正体重を保つこと」「運動習慣をつけること」「便通は朝毎日1回をノルマとすること」「気力ある生活を送ること」を提示した。また、生活習慣で大事なことは、日常的に余裕をもち安堵し、心身の健全を図ることであり、そのためには「医食同源」の思想が有用である。感染症が流行しても、自然とともに生きて、感染しても発症しないと自負できる体をつくることが最大の防御策であると述べた。

 医食同源は、薬膳の「陰陽五行論(※)」を基に万遍なく食べ、体の強化を図ることにある。中村氏は医食同源の考えに基づき、次のことを推奨する。食事は、朝食、昼食、夕食を定時にきちんと座り、楽しみながら食べる。「五味調和」では、酸味、苦味、甘味、辛味、塩味がそれぞれ肝臓、心臓、脾(膵)臓、肺蔵、腎臓に関係しているため、適正に摂取することで体を強化するが、過剰摂取すると体を傷める。また、「五色食品」をバランス良く摂る。「五色食品」とは、「青」(野菜・果実:ビタミン・食物繊維)、「赤」(肉・魚介類:タンパク質)、「黄」(穀類・芋類・豆類:炭水化物)、「白」(乳・脂肪類:脂質)、「黒」(海藻類・茸類:ミネラル)である。調理方法として、「五法調理(生、焼く、煮る、揚げる、蒸す)」をバランス良く行う。

(つづく)

【金木 亮憲】

※陰陽五行論
 この世は陰陽と五行から成立し、各々季節に従い生きてゆくべきという2500年前から中国に伝わる循環思想である。中国古代の宇宙観、世界観、陰陽説と五行説が結合したもの。陰陽説は、宇宙の現象事物を陰と陽の働きによって説明する二元論。五行説は、万物の根源を木火土金水の5元素におき、それらの関係、消長によって、宇宙は変化するという自然論的歴史観である。儒学とともに日本に入り、天文、暦法、医学などの分野に大きな影響を与え、古代より国の権力者やリーダーが学ぶ学問として用いられてきている。現代においては、日常生活や会社でのさまざまな問題を解決する指針として活用されている。 

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