2021年12月07日( 火 )
by データ・マックス

すり鉢の底・渋谷の浸水対策~駅東口に4,000m3の雨水貯留施設(前)

1999年の集中豪雨では地下街の浸水被害も

雨水貯留施設のイメージ(提供:渋谷駅街区土地区画整理事業共同施行者)

 ゲリラ豪雨の多発により大都市で懸念されるのは、地下街への浸水被害だ。渋谷駅東口では、約4,000m3の雨水貯留施設の整備が完了し、東京都下水道局の管理で8月31日から稼働している。同施設は、「渋谷駅街区土地区画整理事業」(以下、本事業)の一環として、代表者を東急、同意施行者をUR(都市再生機構)とする共同施行者により整備された。

 渋谷駅付近は東急電鉄、JR、東京メトロ、京王電鉄の4社9線が集まる交通の要衝だ。多くの商業施設が並び、新型コロナ感染拡大前に比べて約35%減(9月8日時点、JIJI.COM、データ提供:(株)Agoop)といえど、商業地として依然多くの人で賑わっている。

 その渋谷駅は、公園通り側を代々木台地、宮益坂側を東渋谷台地、道玄坂側を西渋谷台地と三方を台地に囲まれ、すり鉢状の地形の谷底に位置しているため、降雨時に雨水が溜まりやすい。1999年夏の集中豪雨では、地下街への浸水被害も発生しており、近年の豪雨増加による水害の発生が懸念されてきたエリアだ。地下街への浸水を防ぐため、雨水貯留施設や取水管の整備が急務とされてきたが、駅周辺には鉄道も多く、高層ビルなどの建物が密集しているため、すぐに整備することは困難だったという。

渋谷駅東口断面図イメージ(提供:渋谷駅街区土地区画整理事業共同施行者)

 そこで、今回の渋谷再開発が機会となり、本事業共同施行者は雨水貯留施設の整備を開始した。2011年2月に同施設を着工、14年8月に掘削を終え、同施設の本設工事を開始。雨水貯留施設は渋谷駅東口広場の地下約25mの深さに位置し、その大きさは南北約45m、東西約22m、体積は4,000m3だ。施工者は、東急建設・清水建設・鹿島建設の共同企業体(JV)。

雨水貯留施設の内部
(提供:渋谷駅街区土地区画整理事業共同施行者)

 東京都下水道局は、06年に渋谷駅西口の道路の地下に約4,000m3の雨水貯留管(内径約2.6m、延長約764m)を整備していた。東京都は激化する豪雨に対してさらなる対策強化を進めており、1時間あたり50mmを超える豪雨に対応できる施設の整備を進めている。

 東急は、「100年に一度といわれる渋谷の大規模再開発を機会にして、1時間あたり75mmの降雨に対応できる効率的な雨水貯留施設を整備した。大都市の防災機能が格段に向上することが期待され、渋谷を訪れる方々に、安全、安心に、まちを利用していただけるようになる」と話した。

 

(つづく)

【石井 ゆかり】

(後)

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、再開発に関すること、建設・不動産業界に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。現在、業界に身を置いている方や趣味で再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募いただける場合は、こちらまで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事