2024年04月19日( 金 )

「九州に進出しないという選択肢はない」~星野リゾート「九州プレス発表会・2020秋」

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星野 佳路 氏

 国内外で宿泊施設を複数展開する(株)星野リゾート(長野県軽井沢町)は10月5日、九州エリアで初となる報道関係者向けのプレス発表会を福岡市博多区内のホテルで開催した。
 登壇した同社代表の星野佳路氏は、「初めて九州を訪れた際、国内のほかの場所と違う要素をもった豊富な観光資源があることに気付きました。このようなすばらしい観光資源をもつ九州を星野リゾートが紹介しない、九州に進出しないという選択肢は絶対にあり得ません」と、九州エリアでの展開について意欲を示した。

 今回の発表会では、同社が提案するコロナ禍における観光のかたち「マイクロツーリズム」や、同社の温泉旅館ブランド「界」および西日本エリア既存施設の紹介、今後の九州エリアでの同社施設の展開、そしてwithコロナ期における同社の企業動向などについて発表された。

 同社が提案する「マイクロツーリズム」とは、移動時間1~2時間圏内の地元や近場を楽しむ小旅行のことで、感染拡大防止と地域経済の両立を図ることが大きな特徴。同社の各施設で展開する「ご当地楽」や「ご当地部屋」などの取り組みによって、地域の魅力の再発見に努めていくという。実際に同社の既存施設のなかには、マイクロツーリズムに向けた取り組みに注力することで、昨年度比で客室稼働率が向上したケースもあるといい、コロナの影響で急速に減少するインバウンドに替わる新たな観光の在り方として期待を寄せている。

 同社の今後の九州エリアでの展開は、日本有数の温泉地を多数擁することから温泉旅館ブランド「界」を中心とした展開を考えているという。既存施設の「界 阿蘇」(大分県九重町)のほかに、2021年1月29日開業予定の「界 霧島」(鹿児島県霧島市)、21年夏開業予定の「界 別府」(大分県別府市)の2施設を計画するほか、由布院温泉(大分県由布市)と雲仙温泉(長崎県雲仙市)でもプロジェクトを進めている。
 星野代表は九州について、「九州は、各県が一体感をもって“九州としてのブランド”にコミットしているのが強みである一方で、欧米などからは北海道や京都などに比べて『九州』という言葉・ブランドが認知されていないのがネック。今後、認知率を高めていく必要がある」と述べ、同社としても九州ブランドの向上に寄与していきたい考えを示した。

【界 別府】温泉街イメージ

【坂田 憲治】

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