2022年08月15日( 月 )
by データ・マックス

糸島から始動「よかまちみらいプロジェクト」(前)

よかまち化は糸島から

 「移動サービスで北部九州を未来へ繋がるよかまちへ」をスローガンに、効率的な輸送体系の確立、良好な交通環境の創造を目指し、複数の交通機関を連携させる「マルチモーダル」交通体系の構築に挑戦する「よかまちみらいプロジェクト」(※1)。同プロジェクトの記念すべき第1弾の舞台として選定されたのは、観光地として県内外からの注目を集めている糸島だった。

 糸島で実施されるプロジェクトの主題となるのは、アプリやその他オンラインサービスを活用した「交通利便性の向上」だ。実現に向けて、まず糸島を3つのエリアに大別。各エリアの特性に合わせた解決方法を探り、市民はもちろん、糸島を訪れる観光客の移動の最適化を図る。プロジェクトに臨むのは、産学官の垣根を越えた“チーム糸島”と呼べる布陣(※2)だ。

※1:よかまちみらいプロジェクト:昭和グループのグループ企業14社および、志を同じくする企業27社とともに、2020年10月5日に発足された「よかまちみらいプロジェクトコンソーシアム」による、地域の課題解決と魅力向上、活性化に向けた取り組み。 ^
※2:糸島でのプロジェクトでは、プロジェクトパートナーとして、糸島医師会、糸島市商工会、糸島市観光協会、糸島漁業協同組合、糸島農業協同組合など、市内の多くの団体や九州大学などが参画している。 ^


プロジェクト第1弾の活動展開エリアは福岡市西区の一部を含む糸島半島

A の課題

 糸島市の2019年の観光客数は約680万人と増加傾向にあるが、車以外の移動手段に乏しく、点在する観光地間の周遊性が低い。また、駐車場が少なく、人気スポット周辺の道路が渋滞することもあり、観光地全体の活性化につながりにくい。

B の課題

 九州大学伊都キャンパスは国内最大規模の広さを誇り、相応数の九大関係者が通勤・通学している。しかし、キャンパスまでの交通手段が限定的であり、移動に不便さが生じている。

C の課題

 糸島でもとくに高齢化が進んでいる地域。現状、バスの運行本数が少なく、日常生活を送るうえで車が必要不可欠となっているため、運転への不安を抱える市民の移動手段の確保が急務となっている。

 3エリアに共通する課題である「交通利便性の向上」を解決するため、同プロジェクトでは移動サービスの拡充を柱に据えている。具体的には、利用者からの予約を受けて「乗車するバス停」→「降車するバス停」まで、そのときどきの予約状況に応じて最適なルートを走行する「オンデマンドバス」の運行や、昭和グループのトヨタ販売店・レンタリース店で提供される、スマホ1つで車両の予約・施錠・解錠・精算までが完結するカーシェアサービス「TOYOTA SHARE」、電動レンタサイクル「よかチャリ(仮)」の貸出し、ルート検索・決済アプリ「my route」の実装などだ。これら移動サービスの多種多様な実証実験を通じて、市民も観光客も移動に不自由しない、「よかまち」化が果たされることを期待したい。

「my-route」利用イメージ
「TOYOTA-SHARE」展開イメージ

(つづく)

【代 源太朗】

(後)

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