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2020年11月20日 14:05

支離滅裂コロナ対策貫く利権体質 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を抜粋して紹介する。今回は、「新型コロナを第2類相当指定感染症の区分に置きながら、Go Toトラブルキャンペーンを推進するのは矛盾がある。菅内閣の対応に矛盾をもたらしている主因は常軌を逸した『利権体質』だ」と訴えた11月19日付の記事を紹介する。


新型コロナ感染症の陽性者数が急増している。
大きな背景が2つある。

第1は、季節的に感染が拡大しやすくなっていること。
気温の低下にともない、室内の換気が悪くなり、室内湿度が低下している。
これらの変化が感染を拡大させている。

第2は、菅内閣がGo Toトラブルキャンペーンを全面推進していること。
人の移動に連動して感染が拡大している。

メディアは非常事態であるかのように報道するが、被害状況を冷静に見つめる必要がある。
最重要の指標は死者数だ。

日本のコロナ死者数は1,900人強。
人口100万人あたり死者数は15人。
欧米・南米とまったく異なる。

欧米・南米の人口100万人あたり死者数は
<ベルギー>
1,294人
<スペイン>
899人
<アルゼンチン>
801人
<ブラジル>
786人
<英国>
783人
<イタリア>
781人
<米国>
772人
である。

日本の人口あたり死者は欧米・南米の50分の1から100分の1である。
日本の死者の80%以上は70代以上の高齢者である。
日本の総死者数は例年と比べてまったく増えていない。
コロナによる死者の増加は観測されていないのだ。

報道されている「感染者数」は「陽性者数」のことで、「感染者数」のかなりの部分が「無症状者」である。
重症者数、死者数のいずれも、例年流行が観測されているインフルエンザよりも少ない。
インフルエンザは第5類感染症で感染者数の全数調査は行われていない。
感染が拡大しても大騒ぎはしない。

欧米や南米における新型コロナの被害は深刻である。
この被害が広がる以上、政府は最大の警戒を払う必要がある。
日本においても、被害の実態が判明していなかった本年2月から7月までの時点では、最大の警戒が必要だった。

安倍内閣がコロナ対策よりも五輪開催強行を優先したが、この対応は適正ではなかった。
結果的に日本のコロナ被害が軽微であったために、内閣の責任が大きく浮上しなかったが、これは悪運が強かっただけのこと。

現状でのコロナ被害状況を踏まえると、新型コロナを第5類感染症に区分変更することが適切だ。
高齢者、基礎疾患を有する人、医療機関・介護施設関係者の感染防止対策は徹底して実行する必要がある。
しかし、新型コロナ対応は第5類感染症に基づくものに変更するのが適正である。

だが、他方で政府が感染拡大を推進することは間違っている。
現在の感染拡大はGo Toトラブルキャンペーンによる面が極めて強い。
新型コロナの被害が甚大ではなくても、感染拡大を抑止するのか、推進するのか、についての答えは自明だ。

政府は感染抑止に努めるべきだ。
菅内閣は新型コロナ感染症の感染拡大を推進している。
そのために死者が増えるのであり、言語道断の政策対応というしかない。

ましてや、新型コロナを第2類相当指定感染症の区分に置きながら、Go Toトラブルキャンペーンを推進するのは矛盾を絵に描いたようなもの。
菅内閣の対応を貫いている矛盾をもたらしている主因は常軌を逸した「利権体質」だ。

GoToトラブルキャンペーンが巨大利権になっている。
政府からの巨大な利益供与を受ける主体が政治へのキックバックを展開する。
第2類相当指定感染症区分で感染症ムラに落ちる財政資金が巨額になる。

同時に、もう1つの巨大利権である巨大ワクチン予算計上には社会全体を包み込むコロナ大騒動が必要不可欠だ。
この「利権体質」が菅内閣のコロナ対応を根本から歪めている。

新型コロナ感染症の日本における実態は、インフルエンザ以下というのが実態だ。
新型コロナ感染症の指定区分を変更すれば、たちどころに過剰な騒動は解消する。
同時に、病床は基本的に重症患者のためだけに充当されることになり、医療崩壊、医療逼迫のリスクが大幅に軽減される。

コロナ経済対策は国民生活の支援を目的に実施すべきだ。
2020年度第1次、第2次補正予算で58兆円の国費が追加計上された。
この金額があれば、赤ちゃんからお年寄りまで、すべての国民に1人40万円の条件なし給付金を実施できている。
赤ちゃんからお年寄りまで、条件なしに一律に40万円が給付されていれば、相当程度、生活不安を払拭することができる。

高所得者に給付する必要があるのかとの反論が生じるが、給付金を課税対象にすれば、この問題を解消できる。
高額所得者は給付金を受給しても、受給した金額の多くを所得税などで国庫に返納しなければならなくなるからだ。
その分、財政には別の施策に資金を充当する余裕が生まれる。

しかし、利権政府はこのような透明性の高い財政支出を徹底的に嫌う。
利権政府は政府のさじ加減で資金配分できる「裁量支出」を強く選好する。
利権支出のばらまき、配分こそ、「票と金」の源泉になる。

Go Toトラブルキャンペーンで地方の有力旅館は空前絶後の利益供与を受けている。
この利益供与によってもたらされる超過利潤が利権政府へのキックバック原資になる。
業界団体から自民党への政治献金などの現実がこのマネーフローを端的に示している。

今回のコロナ・パンデミックは人為的に創作された疑いもある。
その場合、狙いの中核の1つはワクチン利権だ。
全世界で発生するワクチン利権の規模は天文学的水準に達する。

日本でコロナ大騒動が継続されている最大の理由は、コロナを第5類感染症に区分変更すると巨大ワクチン予算の正当性が失われることにある。
この予算の確定、執行まで、コロナ騒動を継続することが義務付けられている。

菅義偉首相はGo Toトラブルキャンペーンの全面推進者である
「コロナ感染拡大防止に全力を挙げる」と発言しながら、Go Toトラブルキャンペーンを全面推進するのは明白な錯乱だ。

しかし、菅氏は日本におけるコロナ感染症被害が軽微であることを踏まえて行動していると見られる。
それでも、利権のためにGo Toトラブルキャンペーンを全面推進して感染拡大を推進するのは明白な間違いだ。
感染拡大は抑止すべきものであって推進すべきものではない。

また、菅義偉氏は東京五輪開催を強行する構えで、外国人観戦者を受け入れる方針を示している。
「およばざるは過ぎたるに勝れり」だ。
欲をかき過ぎれば、その咎が自分に降りかかる。
欧米からの人の流入促進は明らかな行き過ぎ。

陰性証明を持つ外国人が入国時の空港検査で陽性になる事例も判明している。
外国人観戦者の受け入れでなく、外国人感染者の受け入れになる。
外国人訪日者の2週間待機免除、訪日外国人の公共交通機関利用容認など、菅首相は五輪に目がくらんで何も見えなくなってしまっている。

欧米・南米におけるコロナ被害は深刻だ。
政府は最大の警戒を払う責務を負う。
米国ではコロナ軽視のトランプ大統領が敗北し、コロナ警戒必要性を説くバイデン元副大統領が勝利した。
バイデン新政権はコロナ対策を厳格化することになる。
欧米でのコロナ感染症は本秋から来春にかけて再拡大すると考えられる。

東アジアのコロナ被害が軽微で、欧米・南米のコロナ被害が深刻である理由は明らかになっていない。
欧米・南米から新たにウイルスが流入して、日本におけるコロナ被害が拡大するリスクは存在する。
欧米・南米の政府が国内での感染拡大状況を踏まえて、東京五輪参加中止を決定する可能性も十分にある。

菅義偉氏は足を地に着けた対応を取るべきだ。
矛盾を放置し、最悪を前提に置く「リスク管理の鉄則」を無視して突き進めば、悲惨な結末を迎えることは必定だ。
菅義偉首相が最終的に失敗する可能性は極めて高い。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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