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2020年11月30日 15:27

感染爆発主犯の菅首相引責辞任へ 植草一秀氏ブログ「知られざる真実」 

 NetIB-Newsでは、政治経済学者の植草一秀氏のブログ記事を紹介する。今回は、「菅義偉氏が強行推進したGo Toトラブルキャンペーンで東京都を除外すれば、東京五輪が中止に追い込まれる確率は一気に上昇し、内閣支持率は21年秋に向けて急降下するだろう」と訴えた11月27日付の記事を紹介する。


コロナ感染拡大の最大の責任者は菅義偉氏。
Go Toトラブルキャンペーンは文字通り、トラブルにまっしぐらの政策だ。

コロナ禍に対して国が行うべきことは、国民の命と暮らしを守ること。
感染拡大を抑止し、国民を生活の困窮から守ることだ。
ところが、菅義偉氏は利権まみれのGo Toトラブルキャンペーンに突き進んだ。

Go Toトラブルキャンペーンの最大の問題点は、恩恵を受ける人と恩恵を受けない人、被害を受ける人が著しく偏っていること。
ごく一部の事業者と時間と金に余裕がある富裕者にとって、これほど利益を増進させる策はない。

しかし、圧倒的多数の事業者はほとんど恩恵を受けない。
逆に、ウィルスが日本全国にまき散らされることによって、多数の者が甚大な被害を受ける。

こんな施策を打つよりは、10万円一律給付を4回実施した方がはるかに国民生活は救われる。

コロナウイルスは若年の健常者にとってはそれほど深刻なウィルスでないが、高齢者、基礎疾患を持つ者にとっては極めて危険な存在だ。
感染拡大によって失われずに済む命が失われる。

従って、政府が取るべき方策は、
第1に感染の早期収束を実現すること
第2に国民生活を万全に支えること
の2つに尽きる。

企業に対しては、企業の存続を支える資金的な支援を実行すべきだ。
感染の拡大が、Go Toトラブルキャンペーンによってもたらされたことは明白。
この感染拡大策を中止することが必要だ。
この施策は政府が仕切って実行してきたものであるから、政府が責任をもって中止の陣頭指揮を執る必要がある。

東京都の小池都知事が「国の責任で判断してもらいたい」と述べるのは当然のこと。
政府が7月に強引にGo Toトラブルキャンペーンを始動させたとき、政府が東京都を除外した。
小池都知事はGo Toキャンペーン始動が時期尚早であることを訴えていた。

しかし、政府が政府の判断でGo Toトラブルキャンペーン始動を強行し、施策に批判的だった東京都を実施対象から除外した。
見せしめ効果を狙ったものだ。
しかし、Go Toトラブルキャンペーンは懸念通り、コロナ感染の急拡大を生んだ。

政府の施策失敗は明白だ。
菅義偉氏は政府の失敗をあいまいにするために、Go To一時停止を都道府県知事の判断に委ねようとしている。

物事が成功したときにはしゃしゃり出て、失敗が表面化すると、別の人物に失敗の責任を押し付けるような姑息な人間が増えているが、これを地で行っている。

見るに堪えないのは権力に媚びる者の多さ。

ネット上のニュースサイトには
「Go To東京除外を求めぬ小池都知事がこだわる菅首相との『遺恨試合』」と題する記事がトップページのトップに長時間据え置かれた。
読まなくても内容を推察できるが、小池都知事を攻撃する記事でしかない。

情報番組でキャスターを務める宮根誠司氏は「医療現場の逼迫こそ一番心配される。国だとか都だとか言っている場合じゃないと思いますけどね」と発言。

辛坊治郎氏も「せっかく地方の経済回そうと思って(Go Toを)やっているのに、知事が『うちが感染が広がったのは政府のGo Toのせいだ』ってバンバン悪口いうわけですよ。(政府は)悪口言われちゃたまらないと思っていた」と口をそろえる。

テリー伊藤氏は「『Go To キャンペーン』だけが悪者になっているような気がする」と発言、

杉村太蔵氏は「『Go To トラベル』で救われた命もかなり多いんだろうなというのが僕の考え。菅総理もおっしゃっていましたけど、旅先で感染した方は4,000万人の利用者に対して176人だった」と述べる。

権力になびく、権力に媚びを売るような人物ばかりが跋扈する。
日本の衰退は、この種の人間の跳梁跋扈にも一因があると改めて痛感する。

メディアのなかで唯一気を吐いているのが金平茂紀氏。
「馬鹿な大将敵より怖い」「ウィルスより有害な政府」という正論を示した。
しかし、正論を吐き続ければ、やがて画面から消されることになる。

日本の情報空間はこの20年間で一気に大政翼賛化している。
Go Toトラブルキャンペーンの首謀者は菅義偉氏で、菅氏が責任を明確にすることが先決だ。

菅氏が「コロナウイルス恐れるに当たらず」と判断しているなら、そのことを明確に述べるべきだ。
そのうえで、コロナ感染症の指定区分を第2類相当から変更すべきだ。

コロナ感染症の位置付けによって、取るべき対応が変わる。
コロナ感染症を第5類感染症に区分変更するなら、ワクチンの政府買い上げは必要なくなる。
コロナを第5類感染症に区分変更しても、一部の人は重篤化するリスクが残る。
この人々に対する全額公費負担での対応は必要であるから、必要な部分には特別措置を決定すればよい。

しかし、菅義偉氏は新型コロナを第2類相当指定から変更する方針をまったく示していない。
一部報道では、暫定的な指定の期限が切れる2021年2月以降も、第2類相当指定を継続すると伝えられている。

第2類相当指定を継続しながら、感染拡大推進のGo Toトラブルキャンペーンを推進することは明白な矛盾。
矛盾が不幸の原因になる。

東京都の現状はステージ3相当。
PCR検査の陽性率が上昇すれば、ステージ3の基準をすべて満たすことになる。
ステージ3の地域はGo Toトラベルの対象地域から出発、到着のいずれも除外すべきというのが分科会の提言だ。
東京都が対象除外とされるのは時間の問題なのだ。

菅義偉氏が強行推進したGo Toトラブルキャンペーンが、最大のトラブルを引き起こして政策撤回に追い込まれる。
その責任は菅義偉氏自身にある。
自分の責任を棚上げして小池都知事を批判するのは筋違いであるし、建設的でない。

加藤勝信官房長官は「この問題でどちらがどうという議論をすること自体あまり建設的ではない」と発言したが、政府の責任を認めず、責任を転嫁する行動が建設的でない。

学術会議問題も菅義偉氏が違法な任命拒否を強行して大問題に発展した。
菅氏が国会で示した任命拒否の理由は現実に適合せず、論拠になっていない。

国会での発言は完全な支離滅裂だ。
前政権の犯罪事実も明確化し始めている。
重大な刑事事件事案についての国会答弁で偽証が野放しにされるなら、もはや国会審議に対する信頼は消滅する。

菅義偉氏は菅内閣の実績を1年間示したうえで、衆院総選挙で国民の信を問うとのスタンスのようだ。
このこと自体は適正といえる。
しかし、1年間も実績を示せば、日本がボロボロになる政治が自己崩壊することにはまだ気付いていないようだ。

東京都をGo Toトラブルキャンペーンの対象地域から除外すれば、21年の東京五輪が中止に追い込まれる確率は一気に100%近くにまで上昇するだろう。
内閣支持率は21年秋に向けて急降下することになるだろう。

このことは日本政治を刷新する最大のチャンス到来を意味する。
このチャンスを生かすには主権者である私たち市民がイニシアチブを取る必要がある。

既存野党の多くが自公との癒着政治に陥っている。
私たちにとって本当に有益な、行動力と明確な意思を持つ衆院選候補者を、各選挙区でただ1人に絞り込む作業は、政党任せでなく、主権者主導で実行しなければならない。

与党だけでなく、気の抜けた野党にも退出を求めなければ、日本政治刷新の最大チャンスを生かすことはできない。


▼関連リンク
植草一秀の『知られざる真実』

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