2024年06月23日( 日 )

高騰を続けるビットコイン(前)

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日韓ビジネスコンサルタント 劉 明鎬 氏

 ビットコインは12年ほど前にジェネシスブロックが作成され、今に至っているが、これほどの成長を誰が予想できただろうか。ビットコインは、従来の中央集権的な金融システムでは実現できなかった、第三者の介入なしに安全で迅速に送金や決済ができることを証明した。

 今もビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)に対する評価はわかれているが、暗号資産が少しずつ規制の枠組みのなかに入りつつあることも事実である。大多数の機関投資家は仮想通貨市場の不透明性から参入を尻込みしていたものの、暗号資産をめぐる監督体制が改善され、事業会社などはビットコインの投資に魅力を感じ始めている。

 筆者も当初は暗号通貨にかなり否定的で、購入することはなかった。ところが、ある時点で、ウォレットでビットコインのやり取りをしてみようと思い、知り合いにウォレットのインストール方法やコインの送金・入金の方法を教えてもらった。

 現金の場合、交換所が24時間営業をしているし、株式と違って、精算にそれほど時間もかからない。たとえば、韓国から日本へ送金しようとすると、煩雑な手続きが必要なことはいうまでもなく、自分のお金なのに、何の目的で送金するのかを明らかにする書類を用意しなければならない。それだけではない。送金手数料は金額が小さくても、最低2、3万ウォンかかる。さらに、送金先が銀行に口座を開いていることが前提となる。一方、ビットコインの場合、送金先が銀行口座を開いていなくても、迅速に低コストで送金できるため、何と便利なものかと実感させられる。

 このように、ビットコインなどの暗号資産の有効性を各国政府や事業会社も気づき、徐々に参入することによって、ビットコインが値上がりしつつある。

 ビットコインは昨年の後半から価格が上昇し始め、1月7日の取引で初めて4万ドルを突破。10日には4万630ドルに急騰した。1カ月足らずで2倍に上昇したことになる。仮想通貨市場全体の時価総額も1兆ドル(約103兆8,000億円)を突破した。

 一部のビットコインの支持者は、この価格上昇は始まりに過ぎないと言っている。ビットコインの価格上昇にはいくつかの要因がある。

 まず、米国など先進国の政府による量的緩和政策が影響している。各国は新型コロナウイルス対策として量的緩和を実施し、法定通貨が大量に刷られている。マクロ経済の常識として、通貨量が増えれば、金利が上がり、物価上昇を招きやすくなる。このような環境下で米ドルの価値は下がり、それをヘッジする必要性に駆られる。その結果、資産の一部をビットコインのような代替商品に切り替えることになる。そのため、仮想通貨の価格が上昇しているわけだ。

 従来はインフレを回避する手段として金があった。ビットコインはデジタルゴールドと呼ばれ、金ともにその対象となり、ビットコインの投資家需要が高まっているとみられる。

 2つ目の要因として、ビットコインに対する認識の変化が挙げられる。当初、ビットコインは怪しげなものと考える人が多かった。仮想通貨価格の乱高下は攻撃の良い材料であった。米大手投資銀行のトップは、ビットコインは詐欺であると言っていたが、最近になって評価を変え、ビットコインはゴールドを代替できるデジタルゴールドであると称賛している。

 とくに、各国政府が中央銀行発行デジタル通貨(CBDC)を検討していることも、認識の変化に寄与している。そのような流れを受けて、日米の経済メディアはビットコインの値動きを連日報道し、個人投資家の関心度も高まっている。

(つづく)

(後)

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