糸島市が「輝く小さな街」世界3位に選出(前)
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「優れた生活の質」を評価
英情報誌「MONOCLE(モノクル)」が発表している「輝く小さな街(Bright lights, small city)」の2021年ランキングで、糸島市が世界3位に選ばれた。なお、1位はポルト(ポルトガル)、2位はルーヴェン(ベルギー)で、4位はルツェルン(スイス)、5位はビクトリア(カナダ)だった。日本からはほかに、16位に青森市がランクインしている。
「輝く小さな街」は、世界を飛び回るビジネスマンや起業家をターゲットにイギリスで2007年に創刊された同誌が、人口25万人未満の街を対象に「住みやすさ」「ビジネス機会」「移住者への寛容さ」などの“生活の質”を総合的に評価してランキングしたもの。同ランキングにおいて糸島市は、「自然と都市生活の両方にアクセスでき、生活の質に優れている」「市外から入って来た人に寛容で馴染みやすい」「クリエイティブマインドを惹きつけ、面白いビジネスが生まれている」「“ブランド糸島”の農産物や海産物が豊富」「サイクリングやサーフィン、ハイキングなどに適した素晴らしいロケーションまで、(福岡)空港から車でわずか35分」――などの点が高く評価された。
また、糸島市に住みながら福岡市に通勤する人々がいることにも触れながら、「このまちに住むのは素晴らしい選択だ!」と締めくくられている。今回の「輝く小さな街」世界3位への選出は、糸島への移住検討者の背中を押すだけでなく、市民の郷土愛の醸成にもつながる、まさに“吉報”だといえよう。
福岡市の中心部である天神・博多まで、都市高速や鉄道(JR・地下鉄)の利用で40分程度という交通アクセスの良さに加え、山や海といった豊かな自然が生み出す良質な環境により、レジャースポットや観光地としての存在感を高めている糸島。すでに相応の知名度の獲得に成功しているが、今回の「世界3位」という快挙は、国内だけでなく、広く国外に向けてもまちの魅力を伝える大きなチャンスとなる。
生活利便性の高さと、豊かな自然の共存――。この糸島の強みを後世に残し、国内外から「ヒト・モノ・カネ・情報」が集まる交流拠点として持続的な発展を遂げていくためにも、今後はまちづくりの方向性をこれまで以上に明確に示していくことが求められる。
総合力で得たブランド
さらなる認知度の向上のためには、「情報発信」が何よりも必要不可欠となる。糸島市では「知られていなければ、存在していないのと一緒だ」(月形祐二・糸島市長)という思いのもと、早い段階から職員と一丸となって情報発信の強化に取り組んできた。
こうした市の“ブランド糸島”構築に向けた積極的な情報発信と、実際に糸島を訪れた人たちによるSNSなどを通じた口コミ、そして地元企業による“糸島”を前面に押し出した商品・サービス展開――これらが相乗効果を産み出し、まずは交流人口が増加。年間682.7万人(※)が訪れるまでに成長した。
さらに、九州大学伊都キャンパスの移転にともなう大学職員や九大生向けの住居整備などが進むにつれて、定住人口も増加。一時は減少傾向にあった糸島市の人口は16年から増加に転じ、20年12月末現在で10万2,523人に達した。
多くの地方自治体が少子高齢化にともなう人口減少を課題とするなか、今なお人口が増加傾向にあるなど、糸島市のまちづくりが順調に進んでいるのは、産官学連携の成果によるところも大きい。※:糸島市公表「糸島市観光入込客推計調査結果(2018年1~12月中の数値)」参照 ^
(つづく)
【代 源太朗】
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