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2021年03月01日 18:04

米金利上昇ショックの株急落、日本株投資に稀有の好条件が揃った

 NetIB‐Newsでは、(株)武者リサーチの「ストラテジーブレティン」を掲載している。
 今回は2021年3月1日付の記事を紹介。

株価急落をどう見るか

 世界的に株価調整が起きている。日本株価はコロナ後の底値から年末までに68%の急伸を遂げ、今年に入ってからも年初比11%上昇と快進撃を続けてきたが、2月16日の高値から1週間で1,600円、6%の急落となった。米国株式も、NYダウ30が史上最高値から2月末の2日間で1,000ドル、3%下落した。ナスダックは最高値から8%、S&P500は最高値から4%の下落となっている。

 ここしばらくは、個人投資家によるゲームストップ株などへの投機的集中投資、テスラ、EV関連など特定株式の暴騰、ビットコインの急伸など、投機的要素が高まり、株価バブル説が広く主張されていた。予期されていた調整場面の到来であるが、懸念は不要であろう。待ち構えている買い方が絶好のエントリー場面へと入ってくるはずである。一気の買戻しが見られるかもしれない。

ファンダメンタルズに死角は見えない

 ワクチン接種によるコロナ制圧が視野に入り、世界の景気ブームの到来がほぼたしかなものとなっている。コロナ制圧の暁には堆積してきた欲望と貯蓄(いわゆるペントアップディマンド)の一気発現が見込まれる。鉄鉱石、銅、石油、海運運賃などの商品市況急騰、半導体、コンテナなどの品不足にその兆しが表れている。

 また、中期的にイノベーションが加速することも見えてきた。パンデミックはイノベーションの3条件、技術、市場(ニーズ)、資本(リスクキャピタル)を見事にそろえた。すでにすべての人間活動をデジタルネット化する技術は存在し、潤沢な資本もあったが、ニーズが欠けていた。しかし、コロナは在宅勤務、在宅授業、在宅診察など、大半のビジネスと生活をネット化する必要性をもたらし、市場ニーズが一気に形成された。それによりDX化のトレンドが可視化され、デジタルネット革命での投資競争が展開されている。脱炭素、自動車のEV化の流れが、それをさらに加速させている。

 このようにグローバルでの景気拡大シナリオにさしたる死角は見当たらない。株高が途切れるとしたら、景気失速か、財政金融緩和策の転換であるが、政策面での不都合も考えにくい。バイデン政権は1.9兆ドルのコロナ対策、2兆ドルの環境・インフラ投資と、矢継ぎ早に財政政策を打ち出すだろう。イエレン米財務長官は「財政政策は、大規模な経済対策で債務は増大するものの、金利が歴史的低水準にある現在、大きな行動に出ることがもっとも賢明であり、長期的には経済対策の恩恵はコストを大きく上回る」と主張し、エコノミストや市場の支持を得ている。パウエル氏率いるFRB(連邦準備制度理事会)はQE(国債購入)で対応し、財政金融一体緩和(事実上のMMT)を推進する。

米国長期金利上昇のショックは尾を引かない

 この安心しきった市場に金利上昇が「ショック」を与えた。昨年8月、0.5%で底入れした長期金利は2月25日には1.6%と急騰し、市場心理を一変させている。市場フレンドリーな経済政策が失敗するとしたら、唯一あり得るものが、インフレと金利の急上昇である。今、起きている金利上昇が市場を暗転させる悪い金利上昇か、一時的なものかが問われるが、この金利上昇は長く続く悪い金利上昇にはならないだろう。

 (1)長短金利差イールドカーブのスティープ化が進行しているが、それは金融機関の収益改善、リスクテイクの誘因になる。

 (2)FRBは短期のみならず長期金利もQEにより采配でき、事実上のイールドカーブコントロールをしている、悪い金利上昇はQEにより食い止められる。

 (3)雇用の全面回復は時間がかかる、パウエル議長が述べているように労働参加率の改善が足踏みしており、一気に供給力不足、インフレになる状況ではない。

 (4)景気回復の初期における長期金利のオーバーシュートは通過儀礼、それまでの低金利継続の反動から大きく一時的に上振れするが、それは長くは続かない、などが指摘できる。

 金利上昇をきっかけとした株価調整は一過性、ドル高も一気に進行することはないだろう。もっともドル相場に関しては、ワクチン接種が先行していることも含め、米国経済が世界をリードすることが明確であり、ドル安トレンドは終わったといえるのではないか。非資源新興国は苦しくなるかもしれない。また株式市場では、金融相場から業績相場への移行期に差しかかっている。物色対象のグロース株から景気敏感のバリュー株にシフトは定着するだろう。

日本株式投資の好条件が揃った

 日本株式は、
 (1)世界景気敏感セクターである、
 (2)円安の恩恵、
 (3)世界でもっともホットな半導体サプライ王国(材料で60%、製造装置で35%シェア)、
 (4)異常に割安なバリュエーション(日本と各国のPBRを比較すると米国4.1倍、英独仏1.7倍、日本1.2倍と極端な割負け)、
 (5)日本人も外国投資家も日本株を著しくアンダーウェイト、日本株買い増しは急務、

 などの好条件が揃っている。これだけの好条件が一度に揃うことは、かつてなかったのではないか。良いエントリーポイントが与えられた、と判断される。

(了)

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