2024年04月18日( 木 )

『脊振の自然に魅せられて』素晴らしき脊振の霧氷(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

きれいな雪景色

 2月19日(金)、ワンダーフォーゲルの後輩Oを誘い、今年3度目となる雪の脊振山へ向かった。18日には雪が舞い散っていたが、天気予報を見ると19日は晴れマークとなっていた。脊振山で霧氷が見られると予想し、出かけることにしたのである。

 福岡市の山間部の板谷峠から自衛隊専用道路に入る。曲がりくねった雪道を登り、高度を稼ぐ。標高900m近くになると樹木に降り積もったきれいな雪景色が現れる。脊振に積雪があると、いつもきれいな雪の造形が見られる場所である。雪の積もった登りの坂道にサイドブレーキを引き、ギアを Pモードにして車が滑り落ちないかを確認し、車を止める。2人とも美しい雪景色にカメラのシャッターを何度も押した。

 ここから5分で脊振山頂駐車場へ着く。時間は午前9時、この日の一番乗りであった。
車を降りて山歩きの準備をすると、山の冷気が体を冷やした。この日の天気予報は、気温は平地で12℃、山は6℃で太陽も輝くと予測していた。

 上半身はメリノウールの下着、厚手の毛のシャツ、そのうえに体温調節用の半袖のシャツ、寒さ対策のフリースを着こみ、そのうえにアノラックを着た姿であった。それでも寒さを感じた。しまった、ヤッケを着てこればよかったと後悔する。

 曇天で太陽は輝いていない。筆者は寒がりである。後輩を見ると、頭は毛糸の帽子に目出し帽、足元はレインズボンを着けていた。準備万端である。

 防寒対策に後悔しつつ、今日はこれで歩こうと決意する。スニーカーから登山靴に履きかえ、雪対策のスパッツをズボンに被せる。厚手の作業用手袋にインナー手袋を着ける。作業用の手袋は格安であり丈夫で、水が浸透せず暖かい。昨年ネット通販で購入したが、最近、スキーヤーにも人気の品だ。

 スパッツのゴムが寒さで硬くなって伸びず、スパッツをなかなか固定できなかったが、ようやくスパッツをつけ終わり出発する。

一面の銀世界

 駐車場直下のキャンプ場の広場は、積雪10㎝の一面の銀世界となっていた。すぐ横の九州自然歩道の縦走路の入り口で雪を被った樹木が目の前に現れた。丸みを帯びた雪をたくさん被った雪景色が2人を歓迎しているように思えた。

 脊振山系の九州自然歩道はここから金山まで続き、100mほど木道となっている。木道に近づくと支柱の上にも丸い雪を付け、雪深い自然歩道となっていた。

 雪道を10分も進むと空は曇天から青空となってきた。紺碧の空に仰ぎ見る樹木の上部に樹氷が見えた。顔を上げて空を見つめる。真っ青な空に霧氷の小さな白い花が吸い込まれるように咲いている。

脊振山直下の霧氷
脊振山直下の霧氷

 「きれい」と思わず声を上げて、カメラの角度を変えて何枚もシャッターを押す。前夜は風が弱く雨が少なかったのか、霧氷は見上げる木々の上部だけに見られた。撮影に満足して足を進め、雪のブナ林を歩く。

(つづく)

2021年2月25日
脊振の自然を愛する会
代表 池田友行

(後)

関連キーワード

関連記事