2024年04月20日( 土 )

巨大地震とマンションの耐震性

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ

構造設計一級建築士 仲盛 昭二 氏

 間もなく東日本大震災から10年となります。ニュージーランドでは2011年2月22日にクライストチャーチ市付近でM6.3の地震が発生し、日本人留学生を含む185人の死者が出ました。その翌月11日には、東日本大震災が発生しました。また、今年2月13日に福島県沖でM7.3の地震が発生しましたが、今回も数日前に南太平洋のニューカレドニアで巨大地震がありました。

 立命館大環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は、「11年当時も南太平洋のバヌアツ周辺で地震が発生すると、日本でも起きる『バヌアツの法則』という都市伝説がささやかれました。近年、口永良部島の火山活動やフィリピンの地震など太平洋プレートの動きが活発化しており、日本も注意すべきです」と指摘しています。

 関連があるかどうかは明確ではありませんが、3・11のときも今年2月13日のときも、たしかに数日〜数週間前にニュージーランド方面で地震が起きていました。やはり、警戒したほうがいいような気がします。

 前述した通り、3・11の東日本大震災の2週間ほど前に、ニュージーランドでクライストチャーチ大震災が起きました。今までに発生したほぼすべてのM8級の地震は、ニュージーランドと連動しています。

 しかも今回は、ニュージーランドで3月4日~5日(日本時間)にかけて、M7.0が2回、M8.0が1回と連続で大地震が発生しましたので、この2週間のうちに日本でも大きな震災が発生する可能性も考えられます。

 「偶然だろう?」という無責任な安心感を与えることは、専門家の務めではありません。偶然と思われる事象から法則や規則を見つけて、ここまで進歩してきたのが現在の科学です。

 今、私が警鐘を鳴らし続けているのは、もし超巨大地震が来たときに、違反建築物や耐震不足建物による被害の責任が問題となるからです。

 GPS衛星観測により、ハワイ島が毎年8.5センチずつ日本に近づいていることがわかっています。5,000万年後には日本にくっつきます。それくらいのプレート活動が地下で起こっているわけです。この活動の延長である地殻ストレスが日本の太平洋側に発生し、地震が起きているのです。

関連記事