2022年05月19日( 木 )
by データ・マックス

エネルギー、環境分野にとどまらず貧困問題まで考え関わっていける企業へ

(株)堀内電気

転換点となったモルディブ共和国での太陽光発電システム技術支援

 太陽光発電システムに早くから関わり、他社の追随を許さないポジションを獲得しているのが堀内電気だ。分譲型ソーラーファームの開発や太陽光発電システムの管理、さらにはLED照明、蓄電池といった省エネルギー分野にも視野を広げ、その活躍の領域は年々拡大している。

 「もとは受変電、送電、電気空調、通信工事を得意としてスタートした電気工事業者です。1986年にスタートして97年に(株)堀内電気を設立しましたが、その時期に関わったモルディブ共和国での太陽光発電システムへの技術支援が大きな転換点でした。現地で太陽光発電設備をつくるから工事に協力してくれという話が舞い込んできたのです。すでに大手の企業から仕事を受けている実績があり信頼されたことが理由でした。面白そうだという単純な動機で引き受けましたが、これが当社の主力事業へと発展します」。堀内重夫氏は太陽光発電の可能性に着目し、太陽の動きを自動的に追いかけるシステムを会社の敷地に設置するなどして知識を探めていく。

 「畳の下にバッテリーを置くという家庭用システムから始めましたが、当初は厳しいところもありました。余剰電力の買取がスタートしてもさして売れ行きは伸びませんでしたから」。

実績とノウハウの蓄積、確かな仕事ぶりが実を結んだメガソーラーの建設事業

 流れが変わったのは2012年の電力の固定価格買取制度(FIT)だ。メガソーラーの建設ラッシュが起こり、同社もそこに関わっていくことになる。でも、壁は決して低くないことを実感する。

 「新しい取り組みですから試行錯誤の連続です。大規模であるがゆえに地権者との交渉や電力系統への申請業務、造成、そして資材の調達など解決しなければならない課題が次々と現れます。まさに苦労の連続でしたが、そこで培った経験が当社の底力になりました」。

 ある時期から一気に国内外の大手や投資会社からのオファーが相次ぐ。誠実な仕事ぶりが実を結んだ当然の結果だ。さらにはメガソーラーの産業用物件の需要急増が追い風となり13年3月期は4億円、14年3月期は12億円、15年3月期は19億円と飛躍を遂げる。また、このころには自社でメガソーラーの開発も手がけている。15年2月に運転を開始した「堀内八木原ソーラーパーク」(長崎県西海市)もその1つだ。

長崎県西海市の太陽光発電システム「堀内八木原ソーラーパーク」

 現在は買取価格の低下により売電ということでは魅力も薄まっていると言わざるを得ない。しかしすでに多くの太陽光発電設備があることからメンテナンス需要は堅調で、同社が手がける管理物件は100カ所を超える。リアルタイム監視システムの活用や設置後の管理サポートの対応で高く評価され、設置クライアントからは管理までセットで任される。

 「土地代や造成費、連系に必要な費用、建設コストを含めても太陽光発電の適地はまだあると考えています」。そんな堀内氏が現在力を入れるのは社屋や店舗、倉庫などの屋上を活用した自家消費太陽光発電設備だ。電力調達コストの削減はもちろん、非常時の電源として利用できる。災害時にも損害を最小限に抑えることでBCP(事業継続計画)対策として極めて有効だ。また、ソーラーパネルが直射日光を遮ることで遮熱効果が生まれ、施設の空調効率をアップする。余剰電力は電力会社に売電することもできるから、導入のメリットは大きい。

これまでの功績を高く評価されたことで新たな分野に積極的に挑戦する企業へ

船舶用太陽光発電・蓄電システム「ECO for SHIP」

 すでに20年以上の歴史をもつ太陽光発電システムの分野で培ったノウハウを生かし、新しく生まれた事業もある。小型・中型船舶向けの太陽光発電・蓄電システムの販売・施工もその1つだ。船内で必要とされる電力をすべてカバーできる「ECO for SHIP」は特許出願中だが、同社の高度な技術力がわかる取り組みの1つだろう。

 また、これまでの功績から福岡県の経営革新計画でも認証を受けたという。結果、大変有利な支援を受けることが可能になっている。マリーナや九州船舶工業会との連携など、レジャーボートを中心にした新しい市場の開拓では大きな追い風となる。

 ユニークな話題では、同社がメインスポンサーを務めるエアーマット式スノーボード・スキージャンプ施設の福岡キングス(福岡県飯塚市)といったものもある。「HEC CUP」などの大会を主催して次世代の選手育成の一翼を担い、さらにはホークスのオフシャルスポンサーとしてもその名を連ねて6年になる。

企業としての大いなる発展とともに地域の未来を担える存在を目指す

 「エネルギーや環境分野に加え、将来的には貧困問題まで考えることができる企業へと発展していきたい」と、語る堀内氏。20年6月には沖縄に5拠点目の営業所も開設し、産官学プロジェクトにも積極的だ。久留米市の協力のもと設立する新法人は、最先端のAI技術を用い、再生エネルギーで地域と行政を結ぶ。災害に強いまちづくりを目指そうというものだが、法人が本格的に稼働すれば今後の地域におけるエネルギーの新しい在り方を示すことになる。

 燃料電池自動車のトヨタ製「ミライ」を2台導入し、大野城市の夏祭り大会で披露した電力供給デモンストレーションは、地域を意識した取り組みだ。FCVに蓄えられた電力が、災害などで停電を余儀なくされた非常時に大変心強い存在になることを強くアピールした。

 企業としての発展とともに地域の未来を担う存在になろうと意気込む堀内電気。再生エネルギーという一大テーマを主軸にさまざまな挑戦を繰り広げる同社に、周囲の期待が集まるのは当然のことだろう。


<COMPANY INFORMATION>
代 表:堀内 重夫
所在地:福岡市博多区浦田1-5-46
設 立:1997年4月
資本金:4,000万円
TEL:092-513-3377
URL:https://www.horiuchi-e.co.jp


<プロフィール>
堀内 重夫
( ほりうち しげお)
1958年12月生まれ、福岡県大野城市出身。筑紫工業高等学校(現・筑紫台高等学校)を卒業後、地元の電気工事会社に就職。86年に堀内電気工事店を創業。97年には(株)堀内電気に法人化。2017年5月から福岡電気工事協業組合の副理事長を務める。趣味は釣りとゴルフ。

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