(一社)大分県建設業協会 副会長/大分支部長 藤田 三吉 氏
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大分市で進むまちづくり
――大分市内の再開発事業で、注目されているものは。
藤田 JR大分駅周辺エリアにおいて実施された大分駅周辺総合整備事業(※)で、市の中心部はめざましい変貌を遂げました。大分駅の高架化により分断されていた駅南エリアと中心部が一体化したことにより、交流人口の増加に寄与する新たな動線が誕生しました。また、当社(新成建設(株))が施工した駅北側の「祝祭の広場」も、ラグビーワールドカップ2019日本大会において、人が集い憩う、にぎわい空間として大きな役割をはたし、改めて中心部における人の往来、回遊の重要性を実感したところです。
今後は、駅東側(要町)の2つの街区と駅西側(末広町)において、官民連携による再開発事業や、東京オリンピック後の祝祭の広場利活用策の見直しなどを通じて、市中心部のまちづくりが最終段階を迎えます。これらの計画を、いかに交流人口のさらなる増加に結びつけていくのか、注目しています。
――大分市がさらに発展していくために、必要なインフラ整備は何でしょうか。
藤田 市の中心部が注目されがちですが、これからは豊かな自然に恵まれた市の周辺部にも注目していきたいですね。大分市には大分川水系、大野川水系の2つの大きな河川があります。現在、国土強靭化計画や洪水対策の一環で、河床掘削を広範にわたり行っていますが、同時に、誰もが安心して利用できる「親水空間」としての整備も進めていきたいです。流域をサイクリングロードやジョギング、散策路として10km・20km単位のスケールで整備し、人々の集う、潤いのあるまちづくりに結び付けていきたいと考えています。
その実現のためにも、まずは河川と中心部とのアクセスを充実させる必要があります。中心市街地と大分市南部を結ぶ新たなアクセスとして、上野から花園をトンネルで結び、車道に加えて、自転車専用道などを整備、大分川河畔へと至る幹線道路の実現が待たれます。
――最後に、大分市の将来のまちづくりに期待されることについて、また地場建設業者して今後取り組みたい地域貢献活動についてお聞かせください。
藤田 大分市は県都として県全体を牽引する役割をもち、県民の交流拠点として、人を引き寄せる魅力づくりが重要になります。私たちは、そのためのインフラ整備に携わる者として、経験や知識を活かし、地場建設業者ならではの提案をしていきたいと考えています。
建設業は災害時だけでなく、公共、民間建築物、道路、河川など国民の財産を、安心・安全に使ってもらうためにも存在しています。私たちも地域再生のため、農業、林業、再生可能エネルギー開発などに協力し、県民と一緒に大分の未来づくりに尽力していきたいと考えております。
※大分駅周辺総合整備事業
大分県と大分市による共同事業で、国際交通安全学会の第39回学会賞(業績部門)を受賞するなど、高い評価を受けた。 ^【代 源太朗】
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