(一社)大分県建設業協会 副会長/別府支部長 和田 修 氏
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観光地としてさらなる深化を
――別府市における開発事業で、注目されているものは。
和田 JR別府駅を中心として、ホテルの新築が盛んです。スーパーホテル別府駅前(2020年7月開業)を皮切りに、ホテルアマネク別府や星野リゾート界 別府、さらに別府近鉄百貨店跡地にはドーミーイン、駅西側には大分県初となるアパホテル、少し距離は離れますが、500名を収容可能な杉乃井ホテルにひかりホールが新たに誕生するなど、ホテルの建設ラッシュが続いています。大江戸温泉やホテル清海、レックスホテル別府なども含めれば、優に1,000室を超える客室が供給されています。
現在は休業しているホテルも少なくありませんが、国際観光温泉文化都市にも指定されている別府市は、やはり観光中心のまちであり、コロナ収束後はホテルの盛況に期待しています。
――別府市が発展を続けるために必要なインフラ整備とは何でしょうか。
和田 大分県は九州の「東の玄関口拠点化戦略」に基づく別府港再編計画の素案をまとめ、発表しました。これによると、分散しているフェリーターミナルを集約し、そのほかの交通機関との接続をスムーズにする「公共交通ターミナル」を設置する方針となっています。目指しているのは、フェリー利用者や、観光客が集い、憩う、新たなにぎわいの施設整備です。用途に応じたエリア分けも実施される予定ですので、たとえば「観光交流拠点エリア」は民間事業者のアイデアを生かすPFI事業にし、人の流れの拠点となるように再整備を進めるのが良いと思います。
また、別府港北側は上人ヶ浜公園(しょうにんがはまこうえん)と接続しています。別府市長が公約に掲げる世界最大の露天風呂建設を目指す「東洋のブルーラグーン構想」と結びつければ、相乗効果を発揮し、新たな交流拠点として、別府観光の発展につながると考えています。
――最後に、別府市の将来のまちづくりには、何が必要でしょうか。
和田 別府市は観光のまちです。観光を軸とするのが自然であり、まちづくりの方向性としてもそれが良いと思います。道路や港、橋梁などの土木関連のインフラ整備は、国や地方自治体の財政負担が避けられないものですが、少子高齢・人口減少により統廃合される学校や、築50年以上が経過した市営・県営の公営住宅の利活用については、民間資金を生かしたPFI事業を増やしていくことが望ましいと思います。
また、近年激甚化する自然災害への対応として、既存インフラの在り方を再考し、災害に強いまちづくりを目指す必要があります。いざというときには、大分県建設業協会として即応できる準備と心構えをもち、これからも安心・安全なまちづくりに貢献していきたいと考えております。
【代 源太朗】
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