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【マンション管理を考える】改正で何が変わる?マンション管理適正化法(前)
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2021年04月08日 07:00

【マンション管理を考える】改正で何が変わる?マンション管理適正化法(前)

 2020年6月、約20年ぶりの改正となるマンション管理適正化法が公布された。施行は2年後。全国の都市圏を中心に建築されたマンションストックが年々老朽化していくなか、大規模修繕や建替えといったマンション管理が適切に実施されていない実状がある。「タワマン」に代表される大型マンションも増え続けており、マンション管理の高度化、複雑化という問題も拡大しつつある。マンション管理の実態はどうなっているのか。管理スキームに問題はないのか。法改正によって、マンション管理の何が改善されるのか。

10人に1人はマンション暮らし

マンション イメージ マンションとは何か。国土交通省では、「3階建て以上の中高層の分譲、共同建で、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、鉄骨造の住宅」と定義している。

 マンションの起源には諸説あるが、1953年に東京都が分譲した宮益坂ビルディング(東京都渋谷区、11階建)が日本初の分譲マンションといわれる。民間のマンション新規供給戸数が増え始めたのは、だいたい70年以降で、その後、毎年10万戸~20万戸のペースで増え続けていった。

 国交省の資料によると、全国のマンションは655万戸以上(2019年末時点)、住民数は1,500万人超となっており、国民の10人に1人以上はマンション暮らしという計算になる。人口に対して居住面積が極端に少ない東京をはじめとする都市部では、なくてはならない居住形態として定着して久しい。

77%が関東と関西に集中

 マンションストックの全国分布割合(18年4月マンション管理業協会報告書より)を見ると、関東地方が54.7%(うち東京都は26.4%、約157万戸、神奈川県が13.8%、約82万戸)、関西地方が22.4%(うち大阪府が12.2%、約72万戸、兵庫県が6.7%、約40万戸)と、全体の約77%を占める。いわゆる三大都市圏の1つである中部地方は6.4%(うち愛知県は4.8%、約28万戸)と低い。九州・沖縄地方は6.6%。そのうち約67%が福岡県(4.5%、約26万戸)に集中している。

 マンションの最大のメリットは、戸建に比べ、同じ敷地面積上により多くの居住人数を確保できることだ。一部例外はあるものの、マンションストック数と都市の居住人口には、一定の相関関係がある。「人口=都市力」という図式に照らせば、都市の経営上、マンションは欠かすことはできない重要な要素になっているといえる。マンションの新規供給は、現在も年間10万戸ペースで続いている。

4割が大規模修繕できていない?

 その一方、経年化したマンションをどうメンテナンスしていくかという問題が浮上している。国交省によれば、築40年を超えるマンションは約81万戸(18年末)存在しているが、10年後には約197万戸、20年後には約366万戸に増えるという。

 築40年以上のマンションになると、トラブル発生率が格段に上がることを示すデータがある。たとえば、漏水や雨漏りの発生率は、40年未満が15%なのに対し、40年以上は40%近くに跳ね上がる。

 マンションのメンテナンスは、マンションの区分所有者から成る管理組合が自主的に行うのが基本だ。築40年以上経ったマンションであっても、定期的なメンテナンスが実施されていれば問題はないわけだが、管理組合が機能不全に陥った結果、適切なメンテナンスが実施されないマンションが少なからず存在する。メンテナンスには、部分的な補修といった軽微な工事から、建築物全体に関わる規模の大きな工事までさまざまなレベルがある。規模の大きな工事は、大規模修繕と言われ、一般的には12年周期で実施される。大規模修繕には、陳腐化した居住機能のアップグレードも含まれる。国交省の調べによれば、築40年以上のマンションで大規模修繕を3回以上実施しているのは63%、2回以下が37%、1回のみが12.9%となっており、「約4割で適時適切な大規模修繕が実施できていない可能性がある」としている。

マンションストックの地域別分布(国交省資料より)
マンションストックの地域別分布(国交省資料より)

(つづく)

【フリーランスライター・大石 恭正】

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