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2016年05月12日 10:56

傑物・堀江貴文(ホリエモン)氏の歴史的評価の再考(2)

若者たちがビジネス道を極めるための求道者

堀江 貴文 氏<

堀江 貴文 氏

 まず、結論から述べると、ホリエモン氏には『溶けていく日本経済システムに大企業を起こして歯止めをかける大役は無理』である。ただし、『若手の世代へのビジネス求道を極めるための伝道者の役割を担うことは、充分に可能である』と断定できる。最近の同氏の出版物は、すべてヒットしている。獄中に追いやられた堀江氏を叩くことで稼いでいた出版社が、掌を返してホリエモン参りする光景を眺めるにつけても、この浅ましさには反吐を吐きたくなる。しかし、ベストセラーになるのは、若者のファンが数多くいるという証明であろう。

 3月、堀江氏の講演を聞いた。同氏の講演だけではないが、参加料は3万7,000円である。参加者は170名で、会場はいっぱいであった。聴講者にいろいろとたずねると、大阪や広島、名古屋、仙台と、地方からも集まっている。平均年齢は40~43歳と見立てた。3万7,000円のセミナー代を払い、交通費と時間をかけて押し寄せる現場にたたずめば、ホリエモンへの根強いファン層の存在を認識できる。主催者側に聞いたが、講演料は250万円だったとか。

 弊社の35歳の社員は、堀江氏の生き様に感銘を受けている。「堀江さんはいいなー。メルマガ購読者が1万人いて、月額840円徴収している。月間850万円、年間1億円の収入がある」と溜息をついた。「尊敬するホリエモンを真似て3年間の獄中生活をしなさい。刑期終了後、真似をすればよいではないか!!貴方も文才があるから、メルマガで必ず月収400万円稼げるよ」と助言した。

 3月の講演を聞いて確信した。「堀江氏は成長している。32歳当時は、たしかに生意気、高慢ちきという印象を持たれたかもしれない。しかし、誰しもが経験できない獄中生活を送り、多面的な思索を続けてきた。単なる銭ゲバではない。日本の将来のことも真剣に危惧し、自分の役割どころを求めている」と。講演の冒頭に、「私も43歳のオジサンになりました。いや20代からはオジサンと呼ばれる歳になったのです。私自身、若者への責任感を抱くようになりました」と神妙に語ってくれた。堀江氏も一歩一歩、凡人でない成長をしているのである。

ネットソフトを駆使するパイオニア経営者

 冒頭、照れ屋のホリエモンが吠えた。「講演会ほど、学ぶには非効率的な時間はない。私の本を読むとか、ネットで情報を収集すれば、効率良く勉強できるはずである」と挑発した。聴衆者は、みんなホリエモンのファンだ。会場にはドッと笑いの渦が起こった。ここからが、堀江氏の本領発揮である。「私の講師としての役割は、皆さまに新しいネット業界の先端情報を提供することである」と、一転して本題に切り込んできた。会場は一瞬にして静寂になった。
 1972年10月生まれの堀江氏が中学生になったのは、パソコンが普及し始めた時期であった。彼の経歴のなかでは、中学時代にパソコンを手にして夢中になったと記されている(親からのプレゼントではない)。子どもたちがパソコンを扱う先鞭をつけた世代に位置するのである。久留米大附設高校から東大へ進学するが、真面目に単位を取るような学生生活には縁がなかったようだ。ある時点で、パソコンソフトに全精力を投入するようになった。そのおかげで、20代半ばにして起業家になることができた。孫氏など前記した先輩経営者たちと堀江氏の差異は、自らパソコンソフトを開発する経営者であったことだ。

銭ゲバではない

 講演のあとの質疑のやり取りの中でも堀江氏は銭ゲバではないということがわかった。「私は金儲けを第一義にはしていません。儲ける組み立てには非常に興味があるだけです。儲かる結果がでればヤッターという気持ちです」という意味合いのことを述べた。学生時代から麻雀などが好きだったから常にゲーム感覚で対応しているのであろう。
 いつ事業化できる目途もつかないロケット開発にインターステラテクノロジスを設立させて資金援助している光景を目撃しても卑しい銭ゲバの印象を微塵も感じられない男だ。堀江氏はロケット工場のある北海道・大樹町に住民票を移している。「この町に納税を納める決意」の表れである。まー、これだけの潔い男が小細工して『パナマ文書』から『ホリエモン』の名前が発覚することはないであろう。

(つづく)

 
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