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2021年06月07日 11:19

太陽光発電をエサに大金を巻き上げた詐欺会社テクノシスステムの手口~小泉元首相を広告塔に活用、小池都知事に飛び火(前)

 「石川や浜の真砂は尽きるとも 世に盗人の種は尽くまじ」。大盗賊、石川五右衛門の辞世の句だという。たしかに、盗人の種は尽きない。現代では、お金の借り手と貸し手をつなぐソーシャルレンディングが新しい犯罪の舞台になった。太陽光発電を掲げて、うその説明で投資家からお金を集めていた(株)テクノシステムの経営陣が逮捕された。その手口は、政治家を利用する詐欺師の常套手段だった。

太陽光発電詐欺事件でテクノ社社長・生田尚之容疑者らを逮捕

 東京地検特捜部は4月27日、太陽光発電関連会社、(株)テクノシステム(本社・横浜市西区、以下、テクノ社)の社長・生田尚之容疑者(47)ら3人を詐欺容疑で逮捕した。他に逮捕されたのは、専務取締役・小林広容疑者(60)と専務執行役員・近藤克朋容疑者(53)。

 発表によると、3人は昨年7月、福島県白河市での太陽光発電事業への融資名目で、阿波銀行(徳島市)から約7億5,000万円、静岡県富士宮市でのバイオマス発電事業への融資として富士宮信用金庫(富士宮市)から約4億1,500万円をだまし取った疑いである。

 白河市の事業は、最大2,400kWのメガソーラー施設を建設し、年約1億円の売電収入があるという計画。富士宮市の事業は、浜松市で稼働していた木材を使ったバイオマス発電の第2工場をつくるという内容だ。

 特捜部は計画に実態はなく、金融機関にうその書類を提出して計11億6,500万円の融資を騙し取ったとした。

 パンフレットなどに政治家や芸能人と一緒に撮った写真を掲載し、信頼を勝ち取ろうとするのは詐欺師の常套手段である。テクノ社の経営者は、詐欺の基本を忠実に実行した。

小泉純一郎元首相、長男の孝太郎氏を広告塔に利用

「自然エネルギーには夢と希望がある」

 小泉純一郎元首相とテクノ社の生田社長の記事広告が、昨年8月24日と同9月4日の日本経済新聞に掲載された。小泉元首相といえば、筋金入りの「反原発」論者である。

 自然エネルギーへの取り組み熱く語る生田氏に対し、小泉氏は、「すごいな、生田君の仕事は夢がある。私は、日本は世界最先端の自然エルギー大国になれると信じている。自然を我々の生活に生かす。その実現に向けて、ぜひこれからも頑張ってほしい」(2020年9月4日付)と手放しで持ち上げて見せた。

 一昨年には小泉氏の長男で、俳優の孝太郎氏がテクノ社のCMに起用された。パリッとしたスーツ姿の孝太郎氏は、「テクノシステムは、「水」「食」「エネルギー」に関するテクノロジーで、SDGs(持続可能な開発)経営を実現します」とPRする。

 また、次男の進次郎環境大臣は、30年までに日本の総発電量に占める再生可能エネルギー比率を40%に高めると宣言したばかり。太陽光発電のテクノ社にしてみれば、小泉家は広告塔にうってつけだ。

 生田容疑者は1974年、神奈川県横浜市生まれ。日本大学理工学部電気工学科卒業、日本電設工業(株)に入社。大学在学中より取得を始めた技術系の国家資格を20以上保有。09年、テクノ社を設立。ポンプ技術と電気技術を活用した環境機器の開発をはじめ、12年から太陽光発電、バイオマス発電、小風力発電などに本格的に進出。19年11月期には売上高161億円をあげるまで急成長した。

 テクノ社は、横浜の新都心みなとみらいの超高層ビル・ランドマークタワーに本社を置く。横浜を代表する超大物の小泉氏のお墨付きを得たことは百人力に値する。

(つづく)

【森村 和男】

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