2024年04月23日( 火 )

【福岡銀行】融資型CFでコロナ禍の『山の上ホテル&スパ』を支援 スイートルーム割引も

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 福岡銀行は貸付投資会社「ファンズ」(東京都港区)と連携し、クラウドファンディングで集めた資金を融資する「融資型クラウドファンディング(融資型CF)」で、地場企業を支援する。地方銀行が、地場企業の支援に融資型CFを活用するのは初めてという。同行と同じ持株会社「ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)」傘下の十八親和銀行(長崎市)や熊本銀行(熊本市)も、融資型CFによる企業支援を視野に入れている。

 融資型CFは、インターネット上で募った資金を金融機関に貸し付け、その金融機関が取引先に融資する。投資家は、融資先から返済された元本や、融資先が支払った利息から利益が分配される仕組み。金融機関が借り手になるため、投資家のリスクは小さいとされる。

 ファンズは、「個人投資家は、企業やサービスに投資することで投資先を応援したくなる」という仮説に立脚。金銭のリターンにとどまらず、投資家限定の試食会招待や宿泊料の割引、イベント参加権利の提供といったファイナンスとマーケティングを融合した方法を考案した。福銀とファンズによる融資型CFでは、ファンズが個人投資家から資金を募り、子会社の「ファンズ・レンディング」を通じて福銀に融資する。

福銀が融資型CFで山の上ホテル支援

 福銀の融資先は、コロナ禍で売上不振が続くホテル業界のなかから、『アゴーラ福岡 山の上ホテル&スパ』に決まった。「C&Gバリュー・デザイン福岡」(福岡市)が経営する老舗ホテルだ。全国の個人投資家にホテルの認知度を高めてファンになってもらう狙いもある。ホテルが借入金を返済できない場合、福銀がファンズ子会社に元利金を返済する。

 同ホテルのスパ優待付きファンドの募集額は、6月23日~7月6日に募る抽選分4,000万円、7月9日から14日の先着順分1,000万円の計5,000万円。予定利回り年率1・0%(税引前)。予定運用期間7月21日~22年6月30日。元本償還は満期一括。利益配当は四半期毎。優待は投資額に応じてスイートルームの割引やペアディナー割引など。

【南里 秀之】

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