2021年12月03日( 金 )
by データ・マックス

コロナ禍で再開発の動きがストップ、九大・箱崎キャンパス跡地の今後は?

事業者公募を再延期、延期期間は未定

 九州大学とUR都市機構では8月2日、九州大学箱崎キャンパス跡地のまちづくりに係る土地利用事業者の公募時期について、再度の延期を行う旨を発表した。

 当初予定では2020年度中に事業者公募を開始する予定だったが、新型コロナの感染拡大で企業の経済活動が停滞していることなどを理由に、今年1月に1度目の延期を発表。今回で2度目の延期となる。1度目の延期の際は、延期期間を約半年間程度としていたが、今回の延期期間は未定。具体的な公募の開始時期については、改めて公表するとしている。

 箱崎キャンパス跡地の再開発に向けてはこれまで、20年6月に都市計画の決定・変更手続きを実施。20年10月5日から11月30日にかけては民間事業者へのサウンディングを実施するなど、事業者公募に向けた準備を進めていた。なお、福岡市と九州大学、UR都市機構では、民間サウンディングで出された意見も踏まえ、引き続き対話を継続しながら、まちづくり事業の実現可能性を高めるための条件などの検討を進めていくとしている。

既存建物の解体・更地化が進む
既存建物の解体・更地化が進む

基盤整備は23年3月完了も、新たなまちづくりはお預け

 18年9月末の九州大学伊都キャンパスへの統合移転完了をもって、1911年1月の大学創立から続く107年の歴史に幕を下ろした箱崎キャンパス。キャンパス閉校までの間に、約16万7,000人の学生(学部・修士・博士の学位取得者)を輩出するとともに、社会の発展に貢献するさまざまな研究成果を生み出してきた。その歴史を継承する意味も込めて、旧・工学部本館や正門などの一部の建物は近代建築物群として保存・活用される予定だ。現在、箱崎キャンパス跡地でそれら一部の建物を除いて解体が進み、ほとんどが更地化。今年2月からは基盤整備事業が行われており、予定工期は23年3月末まで。

 周辺エリアも含めて約50haもの広大な箱崎キャンパス跡地の再開発に向けては、閉校前からさまざまな協議が重ねられてきた。これまでに15回におよぶ跡地利用協議会(13年7月~20年10月)が開催されてきたほか、「跡地利用将来ビジョン」(13年2月)や「跡地利用計画」(15年3月)、「九州大学箱崎キャンパス跡地グランドデザイン」(18年7月)などを順次策定・公表。20年6月には福岡市が、都市計画の決定・変更手続きを実施した。これは、これまでの跡地利用計画やグランドデザインを踏まえ、新たな拠点創出に向けて、地域拠点にふさわしい機能の導入を図るとともに、土地利用転換に向けた都市基盤を整えるためのもの。用途地域の変更や、市施行の土地区画整理事業の事業実施に向けての区域決定などが行われた。

 その後、事業者公募に向けた条件整理などを実施。公募で提案を求める範囲は、箱崎キャンパス跡地などのまちづくりエリアのうち、UR都市機構が開発行為を行う南エリアの大部分と、福岡市が土地区画整理事業を行う北エリアの南側部分。事業者公募は20年度中に開始される予定だったが、冒頭で述べたように2度の延期を余儀なくされた。なお、当初予定では21年度中にも事業者が決定し、そこから箱崎キャンパス跡地における新たなまちづくりがスタートする見通しだったが、当面はお預けのようだ。

近代建築物群として保存・活用予定の正門
近代建築物群として保存・活用予定の正門

(つづく)

【坂田 憲治】

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