2022年01月18日( 火 )
by データ・マックス

コロナ禍で再開発の動きがストップ、九大・箱崎キャンパス跡地の今後は?

スーパーシティも再提出&延期、福岡・箱崎は2回目に応募か?

九州大学箱崎キャンパス跡地
九州大学箱崎キャンパス跡地

 こうした箱崎キャンパス跡地の動向と合わせて気になるのが、内閣府が進める「スーパーシティ」構想の動きだ。

 スーパーシティとは、地域の課題を最先端技術によって解決するため、AIやビッグデータなどを活用して社会の在り方を根本から変えるような都市設計の取り組みのこと。一から新しいまちをつくり上げる「グリーンフィールド」型と、既存のまちをつくり替えていく「ブラウンフィールド」型の2つのアプローチがある。この構想を実現するための国家戦略特区法改正案、通称“スーパーシティ法案”が20年5月に成立し、10月には「国家戦略特別区域基本方針」の一部変更が閣議決定。12月25日からは「スーパーシティ型国家戦略特別区域の指定に関する公募」が開始された。公募は今年4月16日に締め切られ、全国で合計31の地方公共団体が応募。九州内では、北九州市のほか、熊本県・人吉市共同や延岡市(宮崎県)の計3団体が応募したが、意外にも福岡市からの応募はなかった。この31団体のなかから、今夏をメドに5カ所程度の区域が採択される予定とされていた。

 ところが、8月6日に開催された「第1回 スーパーシティ型国家戦略特別区域の区域指定に関する専門調査会」では、「改革の規制の規模が小さい」「大胆な規制改革が乏しかった」のほか、「データ連携基盤に基づく幅広い分野での先端的サービスの実現を目指す設計が不十分」「2030年の未来社会のビジョンの部分が、規制改革以前に描けていない印象のものが多く見受けられた」などの厳しい意見が相次いだ。そのため、応募していた31団体に対しては、2カ月間程度をメドに提案の見直しおよび再提出を要求。採択は今冬以降にずれ込む見通しだ。

 なお、コロナ禍の影響で十分な準備をできなかった自治体もあることから、2回目のスーパーシティ公募もいずれ実施される予定とされている。福岡市が16年秋にスタートさせた「FUKUOKA Smart EAST」とスーパーシティとが親和性が高いことに加え、箱崎キャンパス跡地がグリーンフィールド型の計画地として適していることから、順当に行けば福岡市が2回目のスーパーシティ公募に応募してくる可能性はあるだろう。

 今後、「事業者公募がいつ再開するか」「スーパーシティに応募するのか」など、まだまだ新たなまちづくりが始まる“前段階”での動きが続きそうな箱崎キャンパス跡地だが、引き続きその動向を注視していきたい。

(了)

【坂田 憲治】

  • 1
  • 2

月刊誌 I・Bまちづくりに記事を書きませんか?

福岡のまちに関すること、建設・不動産業界に関すること、再開発に関することなどをテーマにオリジナル記事を執筆いただける方を募集しております。

記事の内容は、インタビュー、エリア紹介、業界の課題、統計情報の分析などです。詳しくは掲載実績をご参照ください。

記事の企画から取材、写真撮影、執筆までできる方を募集しております。また、こちらから内容をオーダーすることもございます。報酬は1記事1万円程度から。

現在、業界に身を置いている方や趣味で建築、土木、設計、再開発に興味がある方なども大歓迎です。

ご応募はこちら(nagaue@data-max.co.jp)まで。その際、あらかじめ執筆した記事を添付いただけるとスムーズです。不明点ございましたらお気軽にお問い合わせください。(返信にお時間いただく可能性がございます)

関連記事