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2021年09月28日 10:00

クラウドファクタリングが予想以上の反響、筑邦銀行などサービス提供

オルタが商標登録

 ネット上のやり取りで売掛金を迅速に現金化するクラウドファクタリング。九州の地方銀行では筑邦銀行と肥後銀行が、クラウドファクタリングの草分け「オルタ(OLTA、東京都港区)」と共同でサービスを提供。福岡銀行も別の事業者との実証実験を終えて、サービス提供に踏み切るか検討中だ。

 金融庁などによると、ファクタリングは売買契約に基づく指名債権の譲渡。法人・個人事業主の取引先に対する売掛金(売掛債権)をファクタリング事業者が買い取り、買い取った債権を管理、回収する金融サービス。

 サービス自体は以前から存在したが、事業者が売掛債権の買い取り手数料を高く設定するなどイメージは決して良くなかった。

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 このサービスをネット上の手続きで完結する仕組みにして、クラウドファクタリングの商標登録を行ったのが、2017年4月設立の「オルタ」。3大メガバンクなどの融資や出資で信用力を高め、創業2年で売掛債権の買い取り総額が100億円を突破した。

負のイメージも

クラウドファクタリング イメージ 九州の地銀では筑邦銀行が3月8日、同社と共同で「筑邦銀行クラウドファクタリングpowered by OLTA」、次いで肥後銀行が5月6日、「ひぎんクラウドファクタリングpowered by OLTA」のサービス名で取り扱いを開始した。

 仕組みはこうだ。オルタは、ネット上の専用サイト経由で申込者の売掛金を取引先への請求書などで確認。AIを使い24時間以内に審査を終えて、問題がなければ売掛債権を買い取って申込者に現金を渡す。申込者は同社に2~9%の手数料を支払うが、最短なら即日現金化も可能という。申込者は筑銀や肥銀のホームページ上から専用サイトにアクセスする。

 このうち筑邦銀行では、サービス開始からこれまでに200件超の利用申し込みがあり、1回あたりの平均利用額は200万円程度。同行ソリューション事業グループは「予想を上回る利用件数で直近1カ月間の申し込みは50件を超えた。徐々に引き合いが強くなっている」と手応えを強調する。9月24日には、申込者が取引する同行以外の複数の金融機関の残高や入出金明細を確認できる統合通帳機能を追加した。

 その一方で、同行は「クラウドファクタリングサービスは全国的にきっちり認知されているとは言い難い。当面は認知活動を地道に進める必要がある」(ソリューション事業グループ)とも話す。

 また福岡銀行は昨年7月17日、金融系ウェブサービスを手がけるマネーフォワード(東京都港区)の子会社と連携し、実証実験をスタート。同年10月30日までの期限だったが、「予想以上の大きな反響があった」(ビジネス開発部)ことから、今年6月30日まで延長した。

 利用申込件数は明かさないが、1回あたりの平均利用額は200万円超だったという。同行ビジネス開発部は「担当者レベルでは前向きに進めたいが、ファクタリングのマイナスイメージもある。部内でさらに検討する」としている。

 長引くコロナ禍によって地域の中小零細業者の間では、短期、小口の手元資金を素早く調達する手段がこれまでになく求められている。昨年4月の改正債権法(民法の一部改正)の施行とも相まって、九州ではオンラインのファクタリング市場が拡大するとみられる。

【南里 秀之】

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